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ユーザーファーストのデザインを徹底し、プロダクトのリブランディングを完遂。「HiPro Tech」リニューアルプロジェクト

Service :
HiPro Tech
Launch :
November 2022

(プロジェクト概要) Outline

ユーザー中心を徹底して辿り着いたプロダクトのあるべき姿。

プロフェッショナル人材の総合活用支援サービス「HiPro(ハイプロ)」が運営する、IT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech(ハイプロテック)」。ITエンジニア・PM/PMO・ITコンサルタント・CTO・技術顧問等のIT・テクノロジー領域の課題を解決できるフリーランス・副業IT人材と、企業をつなぐエージェントサービスです。

「i-common」から「HiPro」へのサービス名称切り替えと、ハイスキルなエンジニアへのサービス提供の本格化に向けて、プロダクトの方針を見つめ直すことになったHiPro Tech。同じHiPro下に新しいサービス「HiPro Direct」が増えることもふまえ、よりハイスキルなエンジニアにフォーカスしたサービスへとリニューアルするために、戦略や戦術を見直す必要があったのです。

こうして動き始めた本プロジェクトには、デザインファーム出身の豊富な経験を持つデザイン人材が集結。パーソルキャリア内に誕生した新たなデザイン組織が手がけるプロジェクトとしてスタートしました。デザイン思考のプロセスをふんだんに取り入れ、ユーザーインタビューなどの綿密なリサーチを通じて、ターゲットであるハイスキルエンジニアにフレンドリーなサービスへと、HiPro Techを大きく進化させていきました。

(プロジェクトの背景) Background

長く続くプロダクトだからこそ、慎重かつていねいなプロセスで。

この「HiPro」サービスには、HiPro Techのほかに、プロフェッショナル人材による経営支援サービスである「HiPro Biz(ハイプロビズ)」があり、2022年6月のリブランディング前は、「i-common(アイコモン)」というサービス名で展開されていました。

今回ご紹介するプロジェクトは、「i-common(現HiPro Biz)」と「i-common tech(現HiPro Tech)」が、HiProサービスへ切り替わるとともに、副業・フリーランス人材マッチングプラットフォームサービス「HiPro Direct(ハイプロダイレクト)」の立ち上げが決まっていたことに、端を発します。

HiProへの切り替えに合わせて、よりハイスキルなエンジニアへのサービス提供を本格化できるプロダクトへと、HiPro Techの方向性を描き直す必要が出てきたのです。

そこで、本プロジェクトにアサインされたサービスデザイナーは、“ユーザー中心のプロセス”にすべく、エンジニアのデプスインタビューから始めることを提案。一人ひとりの声に耳を傾けることで、エンジニアに共通する普遍的なインサイトを浮き彫りにし、ユーザーニーズを踏まえたプロダクトの戦略と戦術へ落とし込んでいこうと考えました。

(プロジェクトのプロセス) Process

Playbookが架け橋になる戦術策定とリニューアル実装の狭間。

プロジェクトは「戦術フェーズ」と「リニューアルフェーズ」の2つに分けて進行していきます。

戦術フェーズ(2021年11月〜2022年3月)

  1. プロジェクトデザイン
  2. リサーチ
  3. ストラテジー
  4. プランニング

まず「戦術フェーズ」では、ユーザーの声を集めるために、i-common tech利用者の中から、ミドルレイヤー3名とハイレイヤー8名の計11人のエンジニアに、各2時間のデプスインタビューを実施。すると、「熟練の方ほどエージェントとの距離が近く、自分の専属営業としてサービスをうまく活用されている」のに対し、「フリーランス歴の浅い方は、エージェントよりも案件そのものに目を向ける傾向があり、うまくサービスを活用しきれていない」といったインサイトが見えてきました。その後、デプスインタビューから抽出したインサイトをもとに、ペルソナを設定。重要な施策検討領域を絞り込んでいきました。

これらを踏まえて、次に行ったのがデザインスプリントです。社内のエンジニアや営業のメンバーを含む17名の参加者を4〜5人ずつのチームに分け、3時間×3日間のワークショップを実施。設定したペルソナを元に求められる施策とはどのようなものか、皆でアイディエーションを行いました。その後、164のアイデアのうち、「実施すべき」と思う施策を選択するために投票を行ったところ、ユーザーに近い立場であるエンジニアが出したアイデアには、多くの票が集まりました。

戦術フェーズの最後には、ここまでの一連のプロセスから導き出したプロダクト戦略・戦術をまとめた「Playbook」を作成。全94ページにわたるPlaybookは、HiPro Techが目指すプロダクトの方向性、UXコンセプト、ユーザーストーリー、UXコンセプトを実現するためのキーファクターや施策、3年後を見据えたKPIやロードマップなど、次のリニューアルフェーズの指針を示したものとなっています。

このPlaybookをもとに次年度のプロジェクト予算が決定。サービス名もi-commonからHiProへ変わることが公となり、プロジェクトは「リニューアルフェーズ」へと入っていきました。

※i-common techからHiPro Techへとサービス名称変更(2022年6月)

戦術フェーズで作成した「Playbook」より一部抜粋

リニューアルフェーズ(2022年5月〜2023年4月)

  1. プロジェクトデザイン
  2. 先行リニューアル
  3. UI改善・新機能開発のためのリサーチ・要件定義
  4. サービスサイトリニューアル(2022年11月)
  5. エンジニアマイページリニューアル(2023年2月)
  6. 法人向けサイトリニューアル(2023年4月)

プロジェクトを引き継いだサービスデザイナーとUI/UXデザイナーが最初に着手したのは、Playbookを読み込むことです。そこに示されたペルソナのインサイトやUXコンセプト、ユーザーストーリーを通して、“誰の・どんな成功体験を後押しするためのプロダクトなのか”を深く理解したうえで、まずは今回のリニューアルで「エンジニアに好まれるプラットフォームになる」「ハイスキルな人材に特別感を持ってもらう」ことを目指そうと決めました。

そこからは、本格的なUI改善や新機能開発に向けて、競合サイトのヒューリスティックリサーチや、営業・エンジニアメンバーへのヒアリングを実施しました。また、ヒューリステックリサーチでは、国内外の競合約20サイトを調査。参考になるポイントを洗い出し、機能ごとに仮説やアイデアをまとめ、優先順位づけに役立てました。また、エンジニアの意見を大切にしたいという想いから、迷ったらすぐに、ユーザーである法人のお客さまやエンジニアとふだんから接している営業や、ターゲットである当事者に近い社内のエンジニアに相談。フィードバックを受けデザインへ反映させることを繰り返し、細部までブラッシュアップを図りました。

それだけではなく、UI/UXデザイナーも、デザインのトレンドリサーチやコンセプトワークには、多くの時間を割いています。国内外のハイクラス向けの競合サービスのTOP画面と案件一覧の画面を数多く閲覧し、サイトデザインから受ける印象やイメージカラー、メインコピー、人の介在感など、複数の要素について傾向を洗い出しました。加えて、「シンプル↔︎ノイジー」「モダン↔︎クラシカル」といったさまざまな切り口で、ポジショニングマップを作成し、HiPro Techが狙うべきデザインの方向性を模索していきました。

(プロジェクトの詳細) Details

ユーザーの求める機能美を追求しながらもHiPro Techらしさを表現する。

今回のリニューアルでこだわったポイントの中から、5つを抜粋してご紹介します。

  1. 案件検索画面…デプスインタビューを通じて、ユーザーのサービス登録に大きく影響を与えるとわかり、最も重視したのが案件検索画面です。ヒューリスティックリサーチの結果を参考にするだけでなく、検索項目の種類や並び順、テキストのトーン&マナー、タグの配置など、細部にわたって、エンジニアの生の声を取り入れました。
  2. シンプルで心地良い操作性…ターゲットであるハイスキルエンジニアは、必要最低限の情報で機能が満たされる「シンプルで心地良い操作性」を好む傾向があったことから、、イラストや見出しの装飾などは一切排除して、情報量が多くてもスッキリしたUIを実現。また、プロダクトのデザインは継続してアップデートを図っていくものであることから、コンポーネントや細かいパーツ一つひとつまで熟考し、恒久的なデザインを目指しました。
  3. WORKとLIFEの両立…「はたらいて、笑おう。」というグループビジョンを掲げるパーソルキャリアのサービスとして、「サービスについて」のページでは、 “HiPro Techだから叶えられるWORKとLIFEの両立”を強く訴求しました。
  4. 人の介在感…「あなただけの営業パートナー」を目指すHiPro Tech。実際の営業担当者のWORKとLIFEの両方の顔が見えるよう、マウスオーバーでビジネスシーンとプライベートシーンの写真が入れ変わる仕掛けを施しました。
  5. HiPro Techらしさの表現…当時、HiProとしてのパーパスは存在したものの、傘下にあるHiPro Biz・HiPro Tech・HiPro Directの3つのサービスで共通するデザインガイドラインはありませんでした。そこで今回のプロジェクトを機に、HiPro Techのデザインを軸としてほかのサービスにも展開できるよう、ライン1本のような細部に至るまでこだわりながら、コンポーネントの整理やルール化をしていきました。

エンジニアの生の声を取り入れ大幅にアップデートした案件検索画面

ユーザーが自分に合った案件に出会いやすいよう、案件詳細画面では案件の特徴タグや似た案件のレコメンド機能を搭載

(実績と効果) Impact

  • 案件詳細ページビュー数

    3.36

  • 案件検索 平均ページ滞在時間

    3.87

  • 「サービスについて」平均ページ滞在時間

    1.77

(メンバーからのコメント) Voice

デザインファームから事業会社に移って初めて、プロダクト戦術からリニューアルまで完遂したプロジェクトとなりました。そのなかで、顧客中心主義を貫けたことは、とても良かったと思います。また、「HiPro Techを営業が誇りを持って売りたくなるプロダクトにしたい」という想いを持って、アイデンティティの確立に寄与できたことがうれしかったです。このプロジェクトを通じて、事業会社だからこその醍醐味を味わえました。

P&M戦略本部 デザイン推進統括部 横断戦略デザイン部 ゼネラルマネジャー

西本 泰司 さん

戦術フェーズで目線が合っていたからこそ、リニューアルフェーズでプロジェクトメンバーにデザインに関する説得をする必要がなく、私たちデザイナーの動きを常に支援してもらえる体制にあったことが、本当に恵まれていたと思います。そのおかげで、本質的なことに時間を割いて、ユーザーとエージェントに向き合うことができたと感謝しています。

P&M戦略本部 デザイン推進統括部 横断戦略デザイン部 HiProサービスデザイングループ リードディレクター

藤原 悠子 さん

「戦術フェーズで決めたことを実現まで見届けられる」機会はクライアントワークでは限られていたこともあり、一気通貫で携われたことが良い経験になりました。また、業務フローなどに影響のある要件に対しても、職能を超えたメンバーで前向きに検討できたことで、アイデアがアイデアのまま終わらず実現できたと思います。

P&M戦略本部 デザイン推進統括部 横断戦略デザイン部 横断サービスデザイングループ リードディレクター

石部 香織 さん

ほかの2つのサービスとの兼ね合いを考えながらHiPro Techの独自性を打ち出せたこと、そしてこの規模のサービスのデザインコンセプトの策定やデザインシステムの構築にまで携われたことは、大きなやりがいになりましたし、デザイナーとして視野も広がりました。

カスタマーP&M本部 デザイン統括部 デザイン2部 HiProデザイングループ サブマネジャー

成田 洋輔 さん

途中からの参加でしたが、徹底したリサーチの物量、コンセプトシートがしっかりと築き上げられていたことで、サービスとして一貫したメッセージや世界観をすぐにキャッチアップすることが出来ました。リニューアル後の継続開発においても"HiPro Techらしさ"を意識したシンプルで心地よい操作性を軸としたUI設計を心がけました。

カスタマーP&M本部 デザイン統括部 デザイン2部 HiProデザイングループ デザイナー

田中 宏実 さん

(クレジット情報) Credit

UX Consulting
西本 泰司
Direction
藤原 悠子
Project Management
石部 香織
UI/UX Design
成田 洋輔
UI/UX Design
田中 宏実

(プロジェクト情報) Information

※ 所属・肩書および仕事内容は、取材当時のものです。

執筆:野本 纏花
編集:重松 佑(Shhh inc. )

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