デザインの力でイメージを具現化し、高い広告効果を実現。ゴールドウイン求人広告プロジェクト。

ブランドの想いを、ターゲットに確実に届けるために。デザインの力をフル活用してプロジェクトを推進。

求人広告を通じて、企業と個人の出会いを創出する転職情報サイト「doda」。さまざまな求人広告プランがある中で、企業の魅力や想いを自由なレイアウトで表現することができるフリーページが「Pick UP!ページ」です。

「THE NORTH FACE」「HELLY HANSEN」など数多くのブランドを展開するスポーツアパレルメーカーであるゴールドウイン様は、数年にわたってdodaに求人広告を掲載。2021年に採用方針が変更となり、またご担当者様の異動が行われたことにより、新たな取り組みとしてPick UP!ページの導入が検討されることとなりました。

採用ソリューション部では、営業担当者からの依頼を受けてメンバーをアサイン。自ら立候補したデザイナーとディレクター兼ライターの2名が、受注前の企画提案フェーズから参加し、デザイン力を活用しながら、プロジェクトを推進していきました。

新たな採用方針のもとで進められた、前例のない媒体出稿。

募集職種は、ゴールドウイン様のスポーツ・アウトドアブランドを取り扱う店舗の販売職スタッフ。当時、ゴールドウイン様の社内では「企業理念や社内の文化・風土に共感でき、なおかつ販売職のプロフェッショナルであること」という新たな採用方針が定められました。この方針の決定を受けて採用活動が動き出すことになりましたが、具体的な施策のアイデアやクリエイティブのイメージはまだ存在していませんでした。また、それまで同社が求人媒体への広告出稿に積極的ではなかったこともあり、過去の媒体掲載時は文章だけで構成されたシンプルな求人広告のみ。そのため特にデザイン面においては、参考となる前例がなく、同社が求める表現の傾向を把握することが難しい状態でした。

一方、パーソルキャリアの採用ソリューション部では「プラス・ワン・アクション」の取り組みがスタートしていました。これは求人広告の制作業務に「プラスワンの価値」を提供しようという採用ソリューション部独自の活動です。通常では、担当営業が受注した後に制作スタッフがプロジェクトに参加し具体的な広告制作を担いますが、プラス・ワン・アクションでは受注前のフェーズから制作スタッフが参加し、それまで営業が単独で行っていた客先へのヒアリングや提案にもデザイナーやディレクターが伴走。デザイン力を活かした質の高い提案により受注確度を高め、さらに広告出稿まで一貫した制作体制とすることで顧客満足度アップを実現しようとする取り組みです。

ゴールドウイン様の採用方針の変化とパーソルキャリア採用ソリューション部のプラス・ワン・アクション。これらを背景として、ゴールドウイン様として初となる「Pick UP!ページ」の制作が進められました。

抽象的なキーワードを、具体的なデザインへ。イメージを形にしながら、目指すアウトプットを模索。

Pick UP!ページの制作にあたり、クライアントからは「求職者にワクワク働けることをイメージしてもらえるデザインにしたい」という要望がありました。具体的な先行事例やビジュアルがない中でのオーダー。まずはこの「ワクワク働ける」という抽象的なイメージをどのように捉えるか、その意図するところを探ることから始めました。また、「企業理念や社内の文化・風土に共感でき、なおかつ販売職のプロフェッショナルであること」という方針の中で、今回は「スポーツやアクティビティが好きで経験やスキルがある人」を採用したいという希望も。メインターゲットとなる人物像の解像度を上げる必要もありました。

「ワクワク働ける」イメージを具現化する

ターゲットとなる人たちがワクワクしてくれるであろうさまざまなテイストのサンプルビジュアルをデザイナーがセレクトし、8つの方向で提示。抽象度の高いイメージを具体的なビジュアルで示しながら、ご担当者様との間でイメージの擦り合わせを行いました。用意されたサンプルビジュアルをもとに議論と取捨選択を重ねていく中で、ご担当者様の頭の中にあったイメージが、徐々に具体的な像を結んでいく実感を得ていただけたようでした。

ターゲット像を深掘り

「スポーツやアクティビティが好きで経験やスキルがある人」というターゲット像の中には、体育会一筋のようなストイックな人もいれば、趣味の範囲で楽しむ人もいます。具体的にどのような人物像を思い描いているのか、ご担当者様の中にあるイメージを深掘りしていきました。「その人はどんな服を着ていて、どんな音楽を聞いているのか」などさらに具体的な質問を投げかける中で「音楽でいうと藤井風のことが好きそうな人」との発言があり、アクティブなライフスタイルにこだわりを持ちながらファッションも楽しむ人とターゲット像を設定。ご担当者様が選定したビジュアルの方向性を参照しながらキャッチコピーを含むメッセージ案とデザイン案を作成し、2つの案を提案しました。

ターゲットの共感を誘い、自分ごと化を促すストーリーを構築

デザインの方向性を確定後、想定ターゲット像を体現している販売スタッフを取材・撮影。サーフィンが好きだという彼女のストーリーを元にデザインとコピーを新たに作成しました。言葉の選び方、手書きフォントの使用、画像一枚ずつの見え方、イラストとの組み合わせ方などを工夫。海や空、山を彷彿とさせるデザインの中にターゲットの共感を誘うコピーをレイアウトしていきました。画面をスクロールしていくと、自然とゴールドウイン様の世界観や空気感が伝わること、そして一人の実感をもとにしたストーリー展開によりターゲットとなる人たちが自分ゴト化できるように設計。スポーツやアウトドア、ファッションが好きな方々が直感的に、そして視覚的に興味を惹かれるように、画像の輝きや色味など細かな部分も調整を繰り返し、目指すデザインを実現するべくこだわり抜きました。

方向性の検討から提案、本制作まで、広告制作のノウハウを活かして全工程をリード。

受注前の提案段階から本制作まで、ディレクターとデザイナーの豊富な広告制作の知見とデザイン視点を活かして、プロジェクトを推進していきました。

求める人材を、短期間掲載で獲得。さらにリピート掲載も。

ゴールドウイン様の反応

・それまで求人広告の掲載に積極的ではなかったが、本プロジェクトの成功を受けてその後も出稿が継続。

・新規デザインでの求人広告制作も受注。

パーソルキャリア社内の反応

・採用ソリューション部内で月に一度開催するデザインアワードで1位を獲得。

・プラス・ワン・アクションの成功事例として社内メルマガに掲載。

※ 所属・肩書および仕事内容は、取材当時のものです。

執筆：宗像 誠也（White Note Inc. ）
編集：重松 佑（Shhh inc. ）