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デザインの力で、次の時代の扉を開きたい。

パーソルホールディングス 執行役員CIO(Chief Information Officer)/CDO(Chief Digital Officer)

柘植 悠太 さん

柘植 悠太

パーソルホールディングス 執行役員CIO(Chief Information Officer)/CDO(Chief Digital Officer)

2006年入社後、法人営業を経て、事業企画部門にて人材紹介、doda、anなど主要事業の事業戦略を立案、実行。その後、企業戦略部門の立ち上げを担う。近年は事業におけるデザイン活用・デジタル技術活用に積極的に取り組み、ビジネス・テクノロジー・クリエイティブの三位一体で事業開発に臨む新鋭的な組織編成に注力。時代に先駆けた体制で既存事業・新規事業の開発に挑み、パーソルキャリアのミッションである『人々に「はたらく」を自分のものにする力を』の実現をリードしている。2022年4月に、パーソルホールディングス 執行役員CIO(Chief Information Officer)/CDO(Chief Digital Officer)に着任

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    (働き方のスタイル) Style of Work

    はたらくが大きく変化する時代にこそ、デザインの力が必要だ。

    デザイン推進統括部が属するテクノロジー本部はどのような部署なのでしょうか?

    柘植:

    テクノロジー本部のミッションは、dodaやanなど既存事業のシステムやサービスの開発と、会社のこれからを担う新規事業の事業開発です。エンジニアやデザイナー、ディレクター、プロデューサー、マーケッターなど専門人材が集まっている部署で、およそ450名の仲間が働いています。2022年4月には、本部内にデザイン推進統括部を設置して、パーソルキャリアに所属する多様なデザイン人材がより一層活躍できるように新体制をスタートさせました。

    テクノロジーを今後の鍵とする企業は多いですが、デザインを重視する事業会社はまだ少数派です。なぜデザインに着目したのですか?

    柘植:

    まず前提として、HR業界の市場の変化が背景にあります。今、「はたらく」が大きく変わってきている時代だと思うんです。終身雇用制と年功序列型の賃金制度が主流だった時代から、少しずつ転職が受け入れられるようになり、さらに副業という新しいはたらき方も生まれてきました。また、テクノロジーの進化によって将来的に消滅する職種や業種もあるという未来予測が出たことで、自身の「はたらく」に向き合う機会が増えた方も多いのではないでしょうか。個人が単一の組織に所属し続けることを前提とするのではなく、複数の組織・職種ではたらくことができるようになり、一人ひとりが自分自身のキャリアにオーナーシップを持つ世の中になりつつあるのだと思います。

    また、HR業界のビジネススタイルに目を向けると、以前は対面でお会いしてカウンセリングをして、求人を探してご紹介するという「人が人を動かす」サービススタイルが当たり前でした。そこから少しずつ変化してWEBメディア化していき、さらに直近では先進的なテクノロジーを活用した新しいサービスも生まれ始めています。HRの分野では求人データと人材データをいかに結合させるかが重要なので、データサイエンスやAIなどのテクノロジーがとても進んでいて、HR業界のサービスそのものが飛躍的に進化してきています。こういった激しい変化の中で、新しいサービスを生み出して成長させていくには、優れたテクノロジーがあってもそれだけでは足りません。より質が高く価値のあるユーザー体験が一人ひとりに届くように設計することこそが重要だと考えています。その設計とは、まさに「デザイン」なんですよね。

    デザインは目に見えるものだけではないということですね。

    柘植:

    その通りです。と言っても私はデザイナー出身ではなく、以前はデザイン=グラフィックデザインやUIデザインと捉えていた人間なのです。それが一緒に仕事をしているデザイナーの皆さんからデザイン論や仕事内容について話を聴いていくうちに、ビジュアルはデザインの重要な一部だけれど、デザインとはそんな小さな範囲の話ではないと。今の社会を見つめ、そこで暮らす人の心の動きを敏感に捉えて、ユーザーと対話しながら物事を組み立てていくことこそデザイン、そう気付いたんです。ユーザーととことん向き合い、クリエイティビティを発揮するデザイン的な視点や考え方は、新規事業を開発するときはもちろん、既存事業にも取り入れるべきものだと思っています。デザインと向き合わない企業・組織はいずれ時代に淘汰されると感じています。BTCモデル(良いサービスの開発はBusiness、Technology、Creativeの融合が欠かせないというビジネス論)という言葉があるように、これからはビジネスとテクノロジーに加え、クリエイティブなマインドセットとデザインの力が必要になっていくのだと痛感しています。

    デザイン思考を持つ組織か否か。それが事業の未来を大きく左右する。

    デザインの価値とはどのような点にあると考えていますか?

    柘植:

    デザインは、上空の高い位置から俯瞰して全体を見ているイメージがありますよね。時代の流れやユーザーが求めているものを敏感に捉えて、そこからどう具体的な形にしていくかコンセプトを描く。そして必要なサービスや機能を見極めながら設計を組み上げ、UIデザインなどのアウトプットとして表現していく。その一連の流れを思考し実行できる点に大きな価値があると思っています。スマホの登場で社会や生活が大きく変化したように、今後も世界を一変させるハードは出現すると考えられます。そうなった時に、そういったハード面と共に社会や人などのソフト面の両方に感性のアンテナを張りながら、新しい事業やサービスをデザインしていける人の存在が鍵になっていくと考えています。海外ではビジネスにおけるデザインの有用性の認識が広がっているようですが日本ではまだまだという話を聞きます。デザインファームを通じてデザインを経営に組み込む会社もありますが、私たちの提供するサービスは日々改善し、変化し続けていくものです。そのためテクノロジー人材と同様に社内にデザイン人材を少しずつ増やして社内の制作体制を広げてきました。

    実際にデザイン人材の仕事ぶりを見てどう感じていますか?

    柘植:

    社会の変化やユーザーの心理、センスや感性といったデータ化・論理化しにくいもの、目に見えないふわふわしたものを感じ取って、マーケットにフィットする形にしていく力は心から尊敬しています。それとデザインという領域自体が新しく、まだあるべき姿を模索している段階だと思うんです。今後デザインがより重要になってくる一方で、デザインに対する理解が十分と言えない日本で、社内外問わずデザイン人材が切磋琢磨してその価値を広めていこうと取り組む前向きな姿勢が素晴らしいなと思っています。

    デザイン思考を取り入れることは、経営や会社全体にどのようなポジティブな影響をもたらすと思いますか?

    柘植:

    二点あります。パーソルキャリアの事業はdodaをはじめto B やto C含めて様々ありますが、初めに全体像を描いて個別の事業を作っていったのではありません。事業ごとに成長してきた背景があり、体系立てた再構築が必要な段階にきています。その際に全体を俯瞰して各事業をどう捉え、今後をどう描いていくか。ここはまさにデザインの力が必要だと思っています。

    もうひとつは経営層へのデザイン思考の浸透です。ファイナンスや営業の知見が経営や組織運営に必要だとされてきたように、これからはテクノロジーやデザインへの理解が経営の必須条件になる時代に入っていくと思います。ユーザーが求めるものや時代の流れを把握するデザイン的な視点・センスがないと次の時代の方向性をつかんで正しい意思決定ができないからです。かといってデザイン思考の獲得は難しく、受け身で身につくものではないとも思っています。経営層がもっと主体的にデザインを学ぶように奮起させること。これがデザイン推進統括部のこれからのテーマなのかもしれません。

    デザインの価値を最大化できる環境を整え、デザインの力を証明していく。

    デザイン推進統括部やデザイン人材に期待する点はありますか?

    柘植:

    デザインの力で新しい事業やサービスを生み出すことですね。これまで数年間、デザインに関わる方の新鮮な視点や考え方に目を開かされる経験をしてきていますので、できると確信しています。今、これまでの取り組みの成果もあって社内の人間が「デザインってなんかすごいぞ」と認識し始めていて、良いスタートラインに立っていると思います。デザインの有用性がこれからより深く組織に浸透していくフェーズに入りますので、追い風を背に、デザインの力をますます示して欲しい。将来的にはCDO(Chief Design Officer)の設置も念頭にありますし、パーソルキャリアがHR業界や日本社会に先行して、ビジネスにおけるデザインの重要性を証明していけたらと思っています。

    事業会社であるパーソルキャリアがここまでデザインを重視していることは一般的にはまだ知られていませんが、その一方で、デザイン人材はリファーラル採用(社員からの紹介)での入社も飛躍的に増えているのが特徴です。

    柘植:

    当社の正社員として働いている仲間たちが、デザイン重視の組織であり、デザイン人材が働きやすい環境だと強く勧めてくれているようです。領域に関わらずスタッフが働きやすい環境を整えるのが私の仕事。デザインという特異な専門領域に従事する方々が納得感をもって働きやすいよう、制度や評価の見直しを何度も行っていますので嬉しい限りです。

    これからも新しい人たちが入ってくると思いますが、どんな人がパーソルキャリアで活躍できると思いますか?

    柘植:

    事業会社ですからサービスも職種も多岐にわたるフィールドがあります。この広い領域を楽しんでくれるような方、フィールドを動き回って自分の力にしてデザイナーとして成長していこうと思う方。クリエイティブは一人ひとりの心情により、さらに強く発揮される能力だと思いますので、HRサービスや「はたらく」を通して「デザインの力で世の中を変えていこう」と考えている方でしょうか。

    それにデザインはこれからますます必要とされる仕事ですから、一歩進んで会社の中だけじゃなく、社会全体の中でデザイナーの地位を高めていく、デザインの価値を確立していきたいと思っている方だと嬉しいですね。当社のデザイン人材を見ていると、高い志を持って切磋琢磨している人ばかりだと思っています。

    今後「パーソルキャリア×デザイン」でどのような世の中を実現していきたいですか?

    柘植:

    最初にお話したように「はたらく」環境が激変する中、ご自身の気持ちと向き合って目指す姿や目標を描き、進むべきキャリアを自身で主体的にデザインしていく時代です。それは決して平坦な道ではありません。だからこそ、ユーザー一人ひとりの個性やステージで異なるキャリアデザインに寄り添えるサービスをデザイン思考で生み出していくのが私たちの役割だと思っています。より自由に、より主体的に、多様な「はたらく」をデザインできる社会を目指して、確実に形にしていきたいですね。

    ※ 所属・肩書および仕事内容は、取材当時のものです。

    執筆:宗像 誠也(White Note Inc. )
    撮影:吉田周平
    編集:重松 佑(Shhh inc. )

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デザインマネージャー

多様な「はたらく」を支援するために、多様性あふれるチームをつくりたい。

テクノロジー本部 デザイン推進統括部 クライアントサービスデザイン部
ゼネラルマネジャー(兼務 デザイン組織開発グループ/UXリサーチ第1グループ/UXリサーチ第2グループ)

藤井 烈尚 さん

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