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サービスのコアバリューを問い直す。「PERSOL MIRAIZ」リニューアルプロジェクト

Service :
PERSOL MIRAIZ
Launch :
October 2023

(プロジェクト概要) Outline

機能を削ぎ落とし、プロダクトの本来の価値を追求。

キャリアに役立つスキルの習得、プロによるキャリア相談がすべて無料のはたらく個人向けリスキリングサービス「PERSOL MIRAIZ」。2020年11月にパーソルホールディングスが発表した「はたらく未来図構想」を受けて誕生したこのサービスは、DX・マーケティング・エンジニアリングなど、キャリアに役立つスキルの習得やプロのキャリアカウンセラーによるカウンセリングを、誰もがすべて無料で受けられるサービスです。

そんな「PERSOL MIRAIZ」は、当初「スキルアセスメント」「キャリアデザイン」「ラーニング」「キャリア相談」の4つの機能を備えた“キャリア・マネジメントツール”として打ち出していました。しかし、機能が多すぎてユーザーに価値が伝わりにくいという課題があったことや、個人のリスキリング支援を行なっていく政府の所信表明があったことなどを受け、スキル獲得にフォーカスした“リスキリングサービス”へとピボットすることになりました。

プロダクトのコアバリューの見直しにともない、外部の業界トップランナーと協業して最先端のスキルが学べる学習コースを独自開発したほか、プロダクトのブランディングやデザインを刷新。また、LPのリニューアルやLINEアカウントの開設、雑誌『BRUTUS』とのコラボブックを発売するなど、2023年10月の大型アップデートにともない、様々な施策を実施しました。

(プロジェクトの背景) Background

ブランディングを通じて「PERSOL MIRAIZ」の未来を描く。

かつての「PERSOL MIRAIZ(Ver.1.0)」には、転職に至る前に必要な機能がすべて詰め込まれていましたが、その分、サービスのコアとなる価値が不明瞭となっている側面がありました。また、スキルを学ぶための「ラーニング」機能に関しては、提携する外部サービスに大きく依存しており、「“PERSOL MIRAIZ”ならでは」の学びを提供できていない状況がありました。

そのようななか、パーソルホールディングスが経済産業省事業「令和3年度中小企業新事業創出促進対策事業費補助金」へ参画することが決定。それを期に、スキルにフォーカスした「PERSOL MIRAIZ(Ver.2.0)」へ、大幅アップデートを行うことになりました。

2023年3月。「PERSOL MIRAIZ(Ver.2.0)」プロジェクトが動き出したものの、プロダクトをリニューアルするという大枠だけが決まった状態であり、スキル獲得にフォーカスするところまでは確定していませんでした。

「ブランディングを通じて、サービスのあり方を根本的に見直し、ステークホルダーにとってのサービスの価値を明快にすることで、我々の向かうべき方向もシャープにしていきたい」。そう考えたデザインチームは、「これまでのように機能を網羅的に拡充するのではなく、“スキル獲得に特化したプラットフォーム”にして行こう」とサービスオーナーへ提起することにしました。

この提案が受け入れられ、「PERSOL MIRAIZ(Ver.2.0)」プロジェクトは大きな一歩を踏み出しました。

リニューアル前の「PERSOL MIRAIZ(Ver1.0)のトップページ」

(プロジェクトの詳細) Details

選択と集中にフォーカスしたピボットで、プロダクトをあるべき姿に導く。

上記の提案の中で、ブランディングチームが打ち出したのは、以下の方向性とターゲットです。

方向性

  • 「PERSOL MIRAIZ」を、「スキル獲得」「学習サービス」のサービスへと舵を切る。
  • 中長期的に、スキル獲得だけでなく、より実績を重ねられるようシフトしていく。
  • さらに、ゆくゆくは転職や副業などの実務獲得にも直接的に貢献していく。
  • タグラインを誰しもが理解できるものに言い換え、機能・体験・ブランドにおいて一本筋を通していく。
  • 「PERSOL MIRAIZ」=リスキリングとして認知されることを受け入れる。

ターゲット

  • まだ転職行動に移してはいないが、未経験転職を考えている人。

これらのブランディング要件定義をもとに、サービスデザイナーがワイヤーフレームを引き、チームメンバー全員でコピーやデザインの相談をしながら、LPを制作。ブランディングチームに所属していたのは、サービスデザイナー、UI/UXデザイナー、アートディレクター、プロダクトマネージャー、プロダクトマーケティングマネージャーの計5名でした。

ブランディング以外にも、「学び」「知る」「相談」「LINE」「マーケティング」「経済産業省対応」「オウンドメディア」など、機能や役割ごとにプロジェクトチームを発足。各チームにサービスデザイナーとUI/UXデザイナーがアサインされ、サービスのあらゆるタッチポイントで、ユーザーに同質の体験を提供できるよう、デザインを進めていきました。

今回、スキル獲得をコアとしたプラットフォームへと刷新して、“「PERSOL MIRAIZ」ならでは”の学びを提供するために、パートナーの方々が用意した枠組みと、パーソルキャリアが保有するアセットを組み合わせて、新たにオリジナルの動画コンテンツを制作することが決まっていました。

しかし、プロジェクトチームが発足してから「PERSOL MIRAIZ(Ver.2.0)」のリリースまで、わずか7ヶ月。動画コンテンツの全容が見えないままUI/UXをデザインしなければならなかったり、経済産業省の要請に合わせた仕様変更を行う必要があったりと、一筋縄ではいきませんでした。

そのようななかでも、建設的にプロジェクトを前に進めていくためには、「こうあるべき」という“べき論”だけで考えるのではなく、「現状、起きていること」を客観的に捉えることが大切です。「PERSOL MIRAIZ」というすでに走り出しているプロダクトが前進する勢いを活かしつつ、少しでも理想的な方向に着地させられるよう、適切な人に働きかけながら、少しずつ軌道修正を行い、プロジェクトを進めていきました。

(プロジェクトのプロセス) Process

  1. 合宿の開催…「PERSOL MIRAIZ」に関わる約50名のメンバーのうち、企画・デザイナー・エンジニアの主要メンバー30名弱が参加する、「PERSOL MIRAIZ(Ver.2.0)」プロジェクトのキックオフ合宿を1泊2日で開催。「スキルアセスメント」「キャリアデザイン」「ラーニング」「キャリア相談」と機能軸になっていたボトムナビゲーションを、「知る」「学ぶ」「相談」「マイページ」の体験軸へ変更することが決定しました。
  2. 新体制の構築…機能や役割ごとにプロジェクトチームを発足。ブランディングチームによって提起されたブランディング要件定義をもとに、各チームが動き出しました。
  3. 計画の進行…それぞれのプロジェクトチームにサービスデザイナーとUI/UXデザイナーがアサインされ、LPをはじめ、プロダクト内の画面や動画コンテンツ内で使用する資料など、デザイナーは1人約20ページ分のデザインを担当しました。時間がタイトななか、機能ごとに割り振られた4名のデザイナーが同時にそれぞれのデザインを進めていたため、統一感が損なわれないよう、密に連携を取りながら入念なすり合わせを行いました。

(実績と効果) Impact

実績と効果

  • キャリア相談の件数

    3.0

  • 新規流入数約

    5

  • 1週間後の再来訪者

    10.0

  • 2週間後の再来訪者

    6.25

ほかにも、リニューアル前は、本来、受け付けていない漠然とした悩みやメンタルに関する相談が多かったものの、スキル獲得にフォーカスしたリニューアル後は、キャリアに関する悩みの相談率が格段に上がったことも、大きな効果のひとつです。

(メンバーからのコメント) Voice

プロダクトの成長とともに、我々も組織も成長していかなければなりません。今回のようなスケジュールがタイトなプロジェクトを推進するなかでも、メンバーの成長にも寄与しようという観点を持てたことは良かったと思います。また、サービスデザイナーの本来の役割を越えて、プロジェクト成功のために、あらゆる手を尽くして邁進できたと思います。

テクノロジー本部 デザイン推進統括部 戦略デザイン部 サービスデザイン第1グループ サブマネジャー

氏家 浩史 さん

自分たちで作ったプロダクトを改めて俯瞰し、大胆な選択と集中を行なったことが今後のブランディング戦略において大きな意味があったなと感じています。蓋然性の低い領域における仮説ベースでのプロダクト推進は、五里霧中な側面も多分に含んでいて非常に難しかったですが、その難しさ故に、クリエイティブ職能に閉じないオーバーラップな体制とカルチャーを醸成できた気がします。

テクノロジー本部 デザイン推進統括部 カスタマーサービスデザイン部 MIRAIZデザイングループ マネジャー

彩伯 怜生 さん

このプロジェクトを通じて、『完璧なものを仕上げてからではなく、4割くらいの完成度で周りに見せて、意見を聞きながらブラッシュアップしていく』『情報設計にも踏み込んで提案していく』『自分から積極的に情報を取りに行く』『コミュニケーション量を増やす』といった、サービス開発ならではのデザインのやり方を数多く学ぶことができました。

テクノロジー本部 デザイン推進統括部 カスタマーサービスデザイン部 MIRAIZデザイングループ リードデザイナー

堀 正承 さん

(クレジット情報) Credit

Produce
井上 峻
Project Lead
氏家 浩史
Design Consulting
彩伯 怜生
UI/UX Design
堀 正承、田中 裕子、大森 文絵、大﨑 由香利
Technical Direction
金子 広大
Copy Writing
金子 涼太
Engineering
NEVERS Co.,Ltd(小山 淑生、島田 大空)

(プロジェクト情報) Information

※ 所属・肩書および仕事内容は、取材当時のものです。

執筆:野本 纏花
編集:重松 佑(Shhh inc. )

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