
NUTIONで公開中の、デザイナーが自身のキャリアを考えるためのツール「DESIGNERS ARE DESIGNING(※1)」。2024年10月、NUTIONでは本ツールを用いて、組織メンバー向けにキャリアにおける悩み解決やメンバー同士の繋がりを深めるためのワークショップを開催しました。
今回は、ワークショップでファシリテーターを担当した大山 聖華さんと、参加者の行川(なめかわ) 雅代さん、山崎 真由子さんによる鼎談です。ツールは手元にあったものの、ワークショップへ参加するまで使ったことがなかったという2人。使ってみての感想や変化など話を聞きました。
(※1)パーソルキャリアでは、「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」をミッションに掲げ、「キャリアオーナーシップ」という自身のキャリアに対し主体的に取り組む意識と行動を育む取り組みを行なっています。「DESIGNERS ARE DESIGNING」は、2023年5月に公開された、デザイナーが自身の現在地を探りキャリアオーナーシップを育みながら、キャリアを歩むことを手助けするツールです。詳細はこちらの記事をご覧ください。
キャリアの悩みを解消し、新たな繋がりを作るワークショップ開催
行川・山崎:
こちらこそありがとうございました!
本日はワークショップへ参加いただいた二人に、参加までのお話や当日のことなどあれこれ聞きたいと思います。

座談会メンバー:(左上)採用ソリューション事業部 大山 聖華、(右上)カスタマープロダクト本部 山崎 真由子、(中下)カスタマープロダクト本部 行川 雅代
「DESIGNERS ARE DESIGNING」活用ワークショップ概要
開催時間:2時間
形式:ハイブリッド形式(オフラインとオンライン、好きなほうを選んでいただく)
参加人数:10名(オフライン6名、オンライン4名、1チーム3-4名のグループ)
全体の流れ:
(1)自己紹介
名前・所属組織・普段の業務・趣味・最近時間を使っていることを発表。
(2)「エピソードカード」を使い、自身のキャリアを振り返り
エピソードカード(※2)の中から、自身がこれまで経験したものと近いものを選び、1-2分でメンバーに共有。それに対し、質問や感想を述べる。
(3)振り返りシート記入
「振り返り学」のワークシート(※3)を使い、「影響を与えた原体験」「2.3年の間で取り組んだ最高のアウトプット」など書き出す。
(4)記入内容を参加者同士でシェア
一人5-6分程度の時間を使い発表。
(※2)デザイナーのキャリアオーナーシップ探索プロジェクトで作成した調査報告書「高度デザイン人材のキャリアオーナーシップ獲得要因」内の掲載コンテンツ「点と点を結ぶためのエピソード100」をカード化したもの。自分自身がどのように行動と選択をしているか、改めて振り返るためのツール。
(※3)3つの質問を通し、自身の経験や普段のインプットの仕方、ヴァイブスを感じた瞬間を振り返りながら答えを埋めるワークシート。 自己や他者のデザイナーとしてのあり方に、出会い直す道具として活用できる。
NUTIONメンバーは、現時点ではこのツールを自由に受け取れる状況ではありますが、ワークショップに参加するまでツールを使ったことはありました?
山崎:
いえ、ツール自体は手元にあったのですが、一度中身を見てそれっきりで。デザインや内容のクオリティの高さに感動したものの、どう使ったらいいか迷ってしまって。
行川:
私も山崎さんと同じです。完成したツールをチームメンバーと見て面白そうだねって盛り上がったんですが、なんだか使うのがもったいなくて(笑)。

多様なデザイナーが在籍するも、交流の機会は限られていた
そんな中、ワークショップに参加してくれた理由を聞いてみたいです。
山崎:
ちょうど今後のキャリアについて悩んでいて、それを少しでも解消できたらと思ってですね。
どんな悩みを?
山崎:
前職ではインハウスデザイナーが二人しかいなかったこともあり、インハウスデザイナーの仕事やはたらき方が分からなくて。自分自身がこの先、どんなデザイナーになりたいのか見えていなかったことが悩みでした。パーソルキャリアにはいろいろなデザイナーがいるので、キャリアを考えるヒントを見つけられたらって。
これまでロールモデルになる人がいなかったと。
山崎:
はい。デザイナーとしてはたらく中で、いろいろな領域に興味が湧いてきたものの、何を自分の強みにして、この先どんなポジションではたらきたいのか、軸がぼんやりしたまま進んでいくのが不安で。とはいえ、普段は目の前の仕事に追われてしまい、なかなか立ち止まって考える時間も作れていませんでした。

一度立ち止まり、キャリアについて考える機会にするため参加してくれたんですね。行川さんはどうですか?
行川:
私も、自分の視野を広げるために、パーソルキャリアにはどんなデザイナーがいて、どんなはたらき方をしているのか知れたらと思って参加を決めました。事業会社ではたらくのが初めてなのですが、環境も仕事内容もこれまではたらいてきた制作会社と違うところだらけで戸惑うこともあって。
ガラッと変わったんですか?
行川:
はい、今まではデザインの依頼を受け、それを作ることに専念していました。でも今のチームでは、UI/UXデザインを作るまでのプロセスを突き詰めていくんです。例えば、あるサイトの中にあるクリックボタン1つの検証に、1週間ほどかけることもある。ここまで考えて作っていくんだと驚きました。
1週間も……!
行川:
そういうこともあって、社内のほかのデザイナーの話を聞き、仕事の進め方など、自分自身の業務に活かせることを見つけられたらと思っていました。

デザイナーの歩み方は、一人ひとり違っていい
今回は、ツールの中から「エピソードカード」と、「振り返り学」のワークシートを使用しましたね。二つのツールを使ってみて、いかがでしたか?

エピソードカード

振り返り学のワークシート
山崎:
すごく楽しかったです!参加者一人ひとりのお仕事の話や、これまでの歩みについての話も聞けて。“デザイナーってこうじゃないといけない”と決めつけていた部分があったんですけど、いろいろな歩み方があっていいんだと思えましたね。
私もつい「デザイナーってこうあるべき!」って“あるべき論”で考えちゃいます。
山崎:
例えば当日参加していたある方は、全く違う職種からデザイナーになったり。
行川:
そうそう、会社にデザイナーになれるよう頼み込んだって言ってましたよね。
山崎:
そう、ガッツが素晴らしいなって。また別の方はこれまで営業をやってきて、その経験を活かして今はUXデザインをやっていたり。そういう話はとても刺激を受けますよね。別の領域でやっていたことが、デザインをする上での自分の強みになるんだって。
私はデザイナーになるまで仕事を転々としていて、それがコンプレックスだったところがありました。でも話を聞いて、自分だからこそ作れるキャリアもあるんじゃないかと勇気が湧きました。
グループのメンバーを考える際に部署がバラけるよう組んだのですが、いい方向に繋がったようでよかったです!
山崎:
あと行川さんと同じチームだったんですけど、行川さんが話していた「something good」という考え方がめちゃめちゃ素敵で心に残っています。
それ、ワークショップ中に少し聞こえてきたのですが、詳しく教えてもらいたかったんです!
行川:
「something good」は「デザインをする上で大切にしていること」という質問に対して答えたものですね。例えばサイトのデザインをするとき、ユーザーが「このサイト使いやすいな」と思ってくれたり、ちょっとでも幸せになってくれるものを作るということを目標にしていて。
素敵。
行川:
ありがとうございます!
行川さんは参加してみてどうでしたか?
行川:
みなさんのデザイナーになる経緯を聞けたのが面白かったです。私は社会人になってからデザインの専門学校に入り直してデザイナーになったんです。美大を卒業してデザイナーになったわけではなく、そこにちょっと引け目を感じていたところがあって。でも、バックグラウンドは人それぞれ異なるんだということに気付けたら気持ちが楽になりました。

新たな繋がりが生まれ、自身のキャリアに対し前向きに
ワークショップへ参加して、悩みは少しでも解消できたでしょうか?
行川:
はい、パーソルキャリアという会社の中でも、多様なはたらき方やキャリアがあるんだと知れて、悩んでいたことが前より晴れました。
山崎:
私も、自分のキャリアに対して前向きになれて、これからのことを考えるヒントが見つかりました。
あと、今回のワークショップでは「振り返り学」を使ったのですが、“人を喜ばせるのが好き”という自分の原点に気付くことができて。今後のキャリアもそれを大事にしながら考えていきたいです。

限られた時間だったのですべて解消とまではいかないかもしれませんが、少しでも前に進むきっかけになっていたらとてもうれしいです。
ワークショップを終えて、社内メンバーとのコミュニケーションやそのほか変化があったことはありました?
山崎:
これまで業務で関わりがなかったメンバーと繋がることができたことですね。
行川:
私も、横の繋がりができたのがありがたかったです。人見知りな自分でも、すぐに親しくなれるような人柄のメンバーばかりだったので。
山崎:
あと、実はこれから開催予定のチーム合宿でも今回のワークショップと全く同じものをやることになったんです。今回の経験がとてもよかったので取り入れてみたいと提案して。今、運営担当として進め方を考えています。
行川:
あ、今度、私もやりますよ!これまでは使い方がわからなかったのですが今回のワークショップでイメージが掴めたので、自分のチームに持ち帰ってやってみようと思っています。
すごくうれしいです!もともとツールを使ったことがなかったところから、今、ツールに対して印象ってどうでしょう?
行川:
とりあえずやってみようとすぐに始められるのは、ありがたいですよね。こういうツールがなかったら、自分たちで1からお題を考えることからやらなければいけないですし……。
山崎:
そうですよね。使ってみてその便利さを実感しました。私は特に「エピソードカードトーク」がいいなと思っていて。例えば「自分のモチベーションになる“憧れ”がある」といったお題に対し、一人ひとり実体験を話してもらい、メンバーが質問をするんですけど、いろいろな角度からが質問が出てくるのが面白かったです。合宿でも絶対にやりたいとゴリ押ししています(笑)。
行川:
たしかに、エピソードカードトークはすごく盛り上がりましたよね(笑)。
山崎:
あと2周はやりたかったです(笑)。

キャリアを振り返り、進む方向性のヒントが見つかるツール
実際にツールを使ってみた上で、どんな方におすすめしたいですか?
山崎:
やはり、私と同じようにこの先どんなデザイナーになろうか悩んでいる人におすすめしたいですね。あとは、今回やってみて、参加者同士のこれまでの経験や価値観を深く知れて相互理解が進むツールだと思ったので、デザイナーのチームビルディングにも活用できそうです。
行川:
山崎さんが言うようにメンバー同士の関係を深めるコミュニケーションツールとしていいですよね。また、個人で使う分にも、ワークシートに書き出すことで自分の頭の中が整理されますし、形として残るので、自分が迷ったときに振り返ってみると「あ、自分成長してるじゃん」と思えるかもしれない。1回だけじゃなく何回も使っていくとさらに良さそう。
ありがとうございます。最後に、こんな活用もできそうというアイディアがありましたらぜひ!
山崎:
「デザイナーの10人の答え(※4)」を、パーソルキャリアの方々の話を聞いてみるなどできたら面白いですよね。会社のことを外部の方にも知ってもらえる機会になるし。

(※4)デザイナーがキャリアオーナーシップを育むための視点を3つの学問にまとめ、それに紐づく質問に対するデザイナー10人の答えを掲載したブック。
行川:
それ面白いですね!デザイナーの枠にとらわれず、ほかの職能の方とやるのもいいかもしれない。特にエピソードカードって、デザイナーじゃなくても答えられる問いがたくさんあるので、ほかの職能の方の話も深掘りしてみたいです。
なるほど、どちらもいいですね!時間も迫って来たので、そろそろ締めのほうへ。
今日はたくさんのお話を聞かせていただきありがとうございました!開催前は人が集まるかも不安だったのですが、終わってみたらこんなにうれしい感想をいただけるなんて思ってもいませんでした……。
行川:
こちらこそありがとうございました!時間が足りないと思うくらい、楽しいワークショップでした!
山崎:
本当に参加してよかったです。今回得た貴重な気付きや学びを、今後のキャリアに活かしていきます!
今、とってもホクホクした気持ちです(笑)。私もワークショップでの手応えを励みに、今後はパーソルキャリアの社員が自身の評価を考える上でのサポートとしても使えないかなど、さらなる活用方法を模索していきたいと思います。

今回ご紹介したデザイナー向けキャリアオーナーシップ育成ツール「DESIGNERS ARE DESIGNING」のPDF版データは、以下のページよりダウンロードいただけます。
ぜひ、一度活用してみてください。
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大山 聖華 さん
採用ソリューション事業部 制作統括部 制作部 デザイン第3グループ デザイナー
2022年にグループ企業からパーソルキャリアに転籍。同時にデザイン未経験からデザイナーに転身。現在は「doda」求人情報サービスに掲載する求人広告のグラフィック制作などを担当。最近では、社内外のHR領域にまつわるデザイン制作も行う。
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行川 雅代 さん
カスタマープロダクト本部 デザイン統括 デザイン2部 HiProデザイングループ デザイナー
2020年、制作会社からパーソルキャリアへ転職。現在はリードデザイナーとして「HiPro Direct」のUI/UXデザインを担当。最近では、マーケティング部門と連携しバナーやLPのデザイン制作も担当。
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山崎 真由子 さん
カスタマープロダクト本部 デザイン統括 デザイン1部 dodaデザイン第1グループ デザイナー
2024年、パーソルキャリアへ入社。現在はデザイナーとして、「doda」求人情報サービス内コンテンツのUI/UXデザインを担当。また、dodaの会員獲得にむけ、記事の画像やLPデザインなども制作。
























(NUTIONで一緒にデザインしませんか?)
未知の領域へ越境し、成長し続けていきたい人。「はたらく」へのデザインを通じ、より社会へ貢献できる仕事がしたい人。NUTIONは、そんな価値観を共有できる仲間を探しています。
改めて、先日はワークショップへのご参加ありがとうございました。