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プロジェクト

新企画の世界観、目指すべきゴールを伝える “デザインの力”。「まいにちdoda TV」プロジェクト

2023年6月にパーソルキャリア株式会社がプレリリースした採用動画コンテンツ『まいにちdoda TV』は、映像に主軸を置いた新たな採用ブランディングコンテンツとして注目を集めています。採用のあり方を変え、「はたらく」の可能性を広げる新ブランドの立ち上げ成功には、最上流からプランナーに並走してきたアートディレクター坂井さんの存在があったといいます。ゼロから生み出した数々のデザインにはどのような想いが込められているのか、『まいにちdoda TV』プロジェクトの舞台裏をご紹介します。

  • 坂井 淳也 さん

    採用ソリューション事業部 制作統括部 デザイン1G

    専門学校時代にSFX・VFXをはじめとしたCG表現を学び、入社したデザイン事務所でデザイナーとしてさまざまな広告制作に取り組む。2014年にdoda制作へジョインし、芯の通ったデザインセンスや顧客要望とディレクション意図の双方を汲み取った表現から制作部の信頼を勝ち取ってきた。2022年から採用プロモーションチームとの協業にも参加し、企画案件でのアートディレクションを担当。デザイナーとしてのフィールドを広げている。

ゼロからスタートした企画の「ゴール」が見えるキービジュアルを

『まいにちdoda TV 』の立ち上げに参加した経緯を教えてください。

坂井:

採用プロモーショングループのプランナーである杉山さんから声をかけてもらったことがきっかけです。もともと杉山さんとは別のクライアントの案件でご一緒したことがあったのですが、今回は自社コンテンツ、それもゼロから新ブランドを作る企画で、タイトルやロゴのデザインを全般的に任せてもらえるというお話でした。多くの人の目に触れる仕事ができること、そしてより自由に世界観を作れることが魅力的でしたし、デザイナー自身の考えを盛り込んだデザインが求められていることも面白そうだと感じて参加を決めました。

当初は『まいにちdoda TV 』という企画名も決まる前で、プランナーの中にある構想をもとにデザインを含めたコンテンツを練り上げていく段階でした。同時に、リリースへ向けて社内の上長や役員などのステークホルダーに「この企画は面白そうだぞ」と思ってもらうためにも、第一印象となるデザインは非常に重要です。「誰が見ても企画の目指すゴールが分かる、目印になるキービジュアル」を目指して、さまざまなヒントをもらいながら制作に臨んでいきました。

デザイナー自身がこだわりを込めなければ、ただの“作業”になる

クライアントワークと比べて、デザイナー自身が考えて作業をする必要があったんですね。

坂井:

その点でいうと、私はクライアントワークでもデザイナーが自分の考えを盛り込み、こだわりを持って作らなければいけないと思っています。ただ言われたとおりに作るだけでは、単なる作業者になってしまう。何より、よくあるデザインに寄せたり、前例を踏襲したりする仕事は楽しくないですよね。

『まいにちdoda TV 』は、企画段階から一貫した意図を持っていました。それは、doda制作陣が持つ取材力やデザインスキルを活用し、期間限定の広告ではなく、多くの人に見てもらえる魅力あるコンテンツを作るということ。その立ち上げに向けたデザインを一手に担うという役割は、自分自身にとってもこれまで経験したことがない挑戦でした。dodaで手の込んだデザインを作り続けてきたからこそ、コンテンツの顔となるデザインの制作にも自信をもって取り組めたのだと思います。

私はもともとデザイナーを目指していたわけではなく、CGアーティストとして “自分の作品を作りたい”という思いが強かったんです。食べていくためにクライアントワークを選び、前職の広告デザインの現場で技術や考え方を身に付けました。対象となるターゲットの年齢も属性もバラバラな案件を一人で捌き、刺さるテイストの広告を制作する中で、常に意識していたのはデザインに自分の考えを盛り込むこと。パーソルキャリアに入社してdodaの求人広告を作るうえでもそうしたスタンスは大事でしたし、今回のプロジェクトでも大いに役立ちましたね。

“文字列の五感”と“企画の意図”をデザインに落とし込む

プロダクトの顔となる各デザインは、どのように制作していったのでしょうか?

坂井:

プランナーからはプロダクトのイメージや届けたいターゲットといったヒントをもらいましたが、デザインについては一任してもらっていました。だからこそ、自分が納得していないデザインは出せない。自信はありましたが、「下手なものは作れないぞ」というプレッシャーも感じていたんです。企画名称が何度か変わったのでそれに合わせた調整やパターン出しはしたものの、事前に「坂井さんなら一発OK」と言っていただいた通り、制作物のお戻しはなかったですね(笑)。

個別の制作物についてお話しすると、『発見!ここスゴ取材班』は、芸人の方がリポーターになって職場の様子を伝えるという企画内容が初期段階で固まっていました。元気の良さや企画の意図を伝える虫眼鏡などを盛り込みつつ、漢字が多くても堅い印象にならないよう、「発見!」の勢いやテンションが途切れない一貫性にも気を配りましたね。

一方で、『#VOICE』はもっとシンプルなインタビューコンテンツで、記事がたくさん集まってくるイメージでハッシュタグをつけたいというお話が最初にありました。VOICE=声という発想から、“吹き出し”を表現したデザインで「みんなが発信できるコンテンツ」という世界観を持たせています。

ロゴデザインは画面に並んだ時の印象や、動画の上に重なるという使用方法も踏まえ、コンテンツ内容に勝ち過ぎたり、逆に埋没することがないようにも気を配りました。『まいにちdoda TV 』のロゴが代表的ですが、シンプルなデザインでもdodaのロゴと色を合わせたカラーバリエーションを用意するなど、使い勝手の良さにもこだわっています。

具体的なデザインのプロセスとして、『発見!ここスゴ取材班』を例にすると、ネーミングの文字列から浮かんでくる五感的なイメージをデザインとして落とし込みながら、「明るい」「元気」「多様な働き方」といった意図を盛り込んでいくんです。例えば、「マシュマロ」という言葉には、実物を知らなくても伝わる柔らかさがある。それが感じられるようなデザインを下敷きに発想を広げていきます。一つ一つの意匠にも色にも意味があって、すべて説明ができますね。「なんとなくこの色にしました」「ご要望に合わせてこの形にしました」という要素は一つもありません。

社内外のデザイナーとともに、世の中に爪痕を残せる仕事を

最上流のアートディレクションに携わる中で、意識したことはありますか?

坂井:

今回は最上流からデザインを担当させてもらいましたが、具体的な要望の中で自分らしいデザインを考える楽しさもあると思っているので、デザイン作業そのもので大きな違いはないですね。ただ『まいにちdoda TV 』をコンテンツとして届ける際には、社内外の多くのデザイナーの力が必要になるので、その点は意識していました。そのため、デザインの意図を伝える手段としてレギュレーションブックも用意。社内で企画を通す一環で作ったものですが、デザイナーの想像力を制限しないように統一したルールを作るのは一苦労でした。「十分な視認性が確保されている場合に限り、別の画像に重ねてOK」という記載などは、まさに自分が「あったらデザインがしやすいな」という要素です(笑)。

企画段階からプロジェクトに参加してみて、改めて感じたのは「デザイナーは自分が考える範囲を狭めてはいけない」ということ。依頼者からさまざまな要望が寄せられる中で、言われた作業だけをしていてはオペレーターになってしまう。デザイナーを名乗る以上、求められる意図を汲み取りながら、自分のやりたいこと、表現したいことをどのように落とし込むかが大切です。

私自身、デザインに関するすべてのものに興味があるので、今後はまったく別の企画のコア部分やWEB系コンテンツのデザインなどにも携わっていきたいですね。今回のプロジェクトを経て、プランナーから求められるハードルは着実に上がっていると感じますが、焦りはありません。これからも、自分が自信を持って作りたいと思えるデザインを追求していきます。

『まいにちdoda TV 』はフィジビリティが終了し正式販売へと進んでいきます。追加のコンテンツを作りたいという構想もあるので、また企画段階から参加したいです。同時に、アートディレクションに興味のあるデザイナーに参加してもらい、ブランドを横展開していくことも考えています。新しい企画を通して、世の中に爪痕を残すようなデザインを作れる機会が増えてほしいですね。

Credit

Creative Director 杉山 美帆
Art Director 坂井 淳也
Writing Director 小南 恵介

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