
「デザイナーのキャリアオーナーシップ探索プロジェクト」実施の背景
ビジネスの世界で、デザインの必要性が話題に上がるようになって久しいですが、いわゆる経営・テクノロジーの知識・経験を持つ高度デザイン人材はまだまだ不足しています。また、企業のデザイン人材が求められる知識量や役割の大きさに対して、キャリア形成の機会や活躍できるフィールドは少ない現状にあります。これらは、ロールモデルの不在なども要因として考えられます。
パーソルキャリアでは、「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」をミッションに掲げ、「キャリアオーナーシップ」を育む社会の創造を目指す取り組みを行っています。「キャリアオーナーシップ」とは、自身のキャリアに対し主体的に取り組む意識と行動のことです。デザイン組織やデザイナーという職種においても、その例にもれません。
本プロジェクトでは、デザイナーのよりよいキャリアを後押し、活躍するフィールドを広げることを目的に、調査報告書やデザイナー向けのキャリアを振り返るツールなどを、全5回にわけてFacebookページにてお届けしてまいります。一人でも多くのデザイナーのキャリア形成のヒントとなれば幸いです。
デザイナーのキャリアオーナーシップ探索プロジェクト 第5弾
デザイナー向けキャリアオーナーシップ育成ツール「DESIGNERS ARE DESIGNING」活用事例概要
NUTIONでは、2023年5月に組織のデザイン人材のキャリアオーナーシップ育成のためのツール「DESIGNERS ARE DESIGNING」を作成、公開しました。
本ツールは「自分はいったいなにをデザインしてきたんだろう?」「いまなにをデザインしているのだろう?」「これからデザインしていきたいものはなんだろう?」などの質問を通じ、自身の現在地を把握する手助けとなることを目的としたものです。
本ツールはデザインする人が使い方を工夫できるように、使い方を1つに定めてはいません。今回はその多様な使い方の一例として、NUTION内で組織のオンボーディングに用いた事例を、記事としてまとめ公開しております。


デザイナーのためのキャリアオーナーシップ育成ツール「DESIGNERS ARE DESIGNING」ダウンロード
デザイナーのキャリアオーナーシップ探索プロジェクト第4弾として「DESIGNERS ARE DESIGNING」の3つのツールを公開しております。
Ⅰ. BOOK:キャリアオーナーシップを育む質問に対しての、デザインする十人の答えが掲載された冊子
Ⅱ. WORKSHEET:BOOKとおなじ質問が掲載されたワークシート
Ⅲ. EPISODE CARD:調査報告書「高度デザイン人材のキャリアオーナーシップ獲得要因」内の掲載コンテンツ「点と点を結ぶためのエピソード100」が書かれたカード
メンバーの相互理解を促進するチームビルディング・ワークショップ
中途入社メンバーと既存メンバーの相互理解を深めることを目的に、NUTION内のチームで「DESIGNERS ARE DESIGNING」のワークシートとネームカードを活用したチームビルディング・ワークショップを実施しました。
中途入社メンバーは、事前にワークシートとネームカードを記載し、自身のデザインに対する向き合い方や「自分は何をデザインする人なのか」を考えた上で当日に臨みます。限られたスペースに過去の経験や将来のビジョンを記入し、エピソードで他者に自分は何者かを伝えることは、自己を省みて核となる部分を抽出し、新しい組織の中でどうありたいかを表現する機会となりました。
当日は、その内容を10分間で発表し、その後の10分間で他のメンバーからの質問に答える時間を設けました。問いに答えるにつれ、言語化されていなかった箇所の解像度が上がっていき、組織におけるその人の姿が徐々に立体的になっていく感覚を参加者全員が共有できました。


NAME CARD
今回の活用事例公開に合わせて、「ネームカード」を公開いたしました。こちらのカードは、「Hello!私がデザインしているものは______」です」と自己紹介のように軽やかに、自分のデザイン観を言葉にして、言い切るためのものです。
対話の深まりが見えるアウトプット
NUTIONはフルリモート組織であり、今回のワークショップもオンラインホワイトボードツール上で実施しています。これにより、発表者のWORKSHEETとNAMECARD、またそれに対する質問やコメント、コミュニケーションの軌跡が一つのキャンバスに描かれ、発表者が「後で振り返ってみたい」と思うアウトプットが生まれました。

進んだ相互理解と自己理解
ワークショップ終了後、中途入社メンバーからは「メンバーからの質問によって、気づいた」「他者の発言やメモにより、思考が外在化され新しい視点で自分を見つめ直すことができた」という意見もあり、新しい環境の中で改めて自分を見つめ直す機会となったことが伺えました。
また既存メンバーからは、「ワークショップ前と比べて中途入社メンバーの特徴的な部分を理解できた」など、目的である相互理解の促進も得られました。さらに、「中途入社メンバーの価値観に触れることにより、自己理解も深まった。共通点や違うところを知ることで、自分について考えるきっかけになった」というコメントもあり、チームメンバーが個々のデザイナーとしてのキャリアを振り返る機会にすることもできました。
本ツールの活用方法について
NUTIONではデザインの力で、はたらくを変え、社会を変えていくことを目指しています。私たちだけでなく、いろいろな組織と協力していくことで、もっとそこに早くたどり着けると信じています。そのため、他のデザイン組織でもキャリアオーナーシップを育む試みがなされることを願い、ツールを公開しております。
本事例を元に、もしくは全く異なる方法でツールを活用されてみた場合の感想などがあれば、是非NUTIONまでお寄せくださると幸いです。
今後の情報もFacebookでも発信していきます
Facebook公式ページ「NUTION by PERSOL CAREER」にて、今後のデザイナーのキャリアオーナーシップに関する取り組みをの発信します。
※ 所属・肩書および仕事内容は、取材当時のものです。












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