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デザインカンファレンス「Designship 2022」参加レポート

物語の力でデザインの壁を越える 

日本最大級のデザインカンファレンス、Designship 2022が11/12-13で開催されました。NUTIONはゴールドスポンサーとしてご支援させていただきました。今年は、「物語の力でデザインの壁を越える」をコンセプトに永井一史さん、森本千絵さん、濱口秀司さん、太刀川英輔さんなどの著名なキーノートスピーカーから、企業や現場で活躍するインハウスデザイナーなど幅広いデザイナーが登壇。中でも「デザイナーの仕事とは?」に対して印象的なお話をされていた、2名のプレゼンテーションの一部をご紹介したいと思います。

また、Designshipで流れたNUTIONの取り組みを紹介する動画も記事末尾に掲載していますので、ぜひご覧ください。

「あなたのやっているお仕事はご縁ね」

広告の企画アーティストのPV、本の装丁から空間ディレクションなど、幅広いデザインを手掛ける株式会社goen°代表の森本千絵さんご自身でも忘れられない仕事のひとつとしてご紹介されていたのが「HAPPY新聞」という、新聞社のシリーズ広告制作でした。日本中のHAPPYなニュースを拾い集め、グラフィックと共シリーズ広告としてそれらを紹介するで、近所のおばあちゃんのために毎週のゴミ捨てを手伝っている小学生の記事が掲載されました。全国から大きな反響があり、その小学生やおばあちゃんにもたくさんの手紙が届いたそうです

全国から届く手紙にびっくりされていたおばあちゃんに森本さんが会いに行った際、おばあちゃんから「あなたは何のお仕事をされているの?」と聞かれ、森本さんはコミュニケーションデザインという職業について詳しく説明されたそうです。一通りそのお話しを聞いた後におばあちゃんが一言、「あなたのやっているお仕事はご縁ね」と、おっしゃったそうです。その一言が、自分がなぜコミュニケーションデザインを仕事としているのか?デザインを通じて大切にしてきた思いをそのまま表している、とそれまでの森本さんのキャリアを振り返るきっかけになりました。 

森本さんにとっては「ご縁を繋ぐ」ことの手段がデザイン。丁寧に物語を形にすると、物語を知った人はそのモノや人を大切に扱うようになる、と話されていたのが印象的でした。 

私たちデザイナーは、スキルをどう捉えればよいのだろう?

「なぜ、フィジカルとデジタルのデザインは分かれてしまうのか?」というテーマでお話しをされた、UXデザイナーの中島亮太郎さん。UXデザインやデザインストラテジーのお仕事をされながら、ジマタロさんとして発信しているnote記事や、書籍化された「ビジネスデザインのための行動経済学ノート」などを知っているデザイナーの方も多いのではないでしょうか。

中島さんは、モノとデジタルの両方のデザインに関わったキャリアのなかで「あなたはプロダクトデザイナーなんですね。」や「私はWebデザイナーです。」のように、ビジネス領域に合わせたデザイナーの呼称に少し違和感がありました。製品デザインとデジタルデザインの両方に関わったキャリアを通じて実感したのは、そういった専門性の原点には、デザイナーとしてもっと大切にしたい3つの汎用的な能力がある、という気づきでした。 

1つ目は、伝えるために書く(描く)こと。デザイナーにとって描くことは、最新のツールを使って、図面やビジュアルをきれいに描くことのように思われるけれど、本来は相手に伝えるために描くことが原点であり、そのためには手書きの方が領域を越えやすいこともある。2つ目は、自分で作ってみること。「Design it Yourself」の精神で、門外漢でもまずは自分で作ってみる。自分で作ってみると、人に作ってもらうときも、どのように伝えればいいかわかる。3つ目は、一歩引いて観る。詳細だけでなく俯瞰的に見ることができるから、デザイン戦略や組織デザインなど、デザイナーが関われる領域がより広がるこの3つのスキルが、デザイナー独自の、「領域を越えて繋がりを生み出す能力」ではないか、と締めくくられていました。 

Designship 2022に参加して、改めてデザイナーが果たす役割の広さが日々更新されていること、そして役割の答えがひとつではないからこそ自由なキャリアを描ける環境がすでにあることを感じ、とてもワクワクしました。 

また、こちらがカンファレンスで公開したNUTIONの紹介動画になります。合わせてぜひご覧ください。

動画で紹介している第1弾「高度デザイン人材のキャリアオーナーシップ獲得要因」調査レポートのダウンロードはこちら。

※ 所属・肩書および仕事内容は、取材当時のものです。

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