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共創の現場で「活きる」新卒研修を。自信を持ってスタートラインに立てる、4ヶ月間の学びとは

NUTIONでは主に新規サービスに携わる新卒入社者を対象に、UXデザインの基礎をしっかり理解し、実務で実践できる知識を養うことを目的とした新卒研修を行っています。
23年度新卒メンバーたちも新卒研修を経て基礎を身につけ、現在、配属先のさまざまなプロジェクトで活躍を始めていますが、その研修はどのような意図や想いで作られていたのでしょうか。今回は、23年度新卒の金井が4ヶ月に及ぶ新卒研修を振り返りながら、設計担当メンバーにその裏側をお聞きしました。

  • 高橋 靖正 さん

    テクノロジー本部 デザイン推進統括部 戦略デザイン部

    2020年3月にテクノロジー本部エンジニアリング統括部UXデザイン部サービスデザイナーとして入社。 前職は、デジタルマーケティング企業にてプランナー、UXディレクターとして勤務。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)にて、デザイン思考とシステム思考アプローチのイノベーション研究、組織心理学をベースとしたチームパフォーマンスの研究を行う。アカデミックと実践における両輪のアプローチを得意とする。

  • 中村 佳生 さん

    テクノロジー本部 デザイン推進統括部 戦略デザイン部 ディレクター
    (兼務 新規サービス開発統括部/ダイレクトソーシング事業部 プロダクト統括部)

    大学・大学院でロボットと高齢者のコミュニケーションの研究に従事し、2022年パーソルキャリアにサービスデザイナーとして新卒入社。入社後は、サービスのUX改善施策立案や組織の中長期戦略策定、新規事業創出プログラム設計などのプロジェクトに携わる。

  • 大森 文絵 さん

    テクノロジー本部 デザイン推進統括部 カスタマーサービスデザイン部

    大学ではデータサイエンスを専攻。在学中にUI/UXデザイナーの存在を知り、デザイナーになることを決意。独学でデザインを学び、2022年にUI/UXデザイナーとしてパーソルキャリアに新卒入社。その後、toB向けオンボーディングツールのグロースと大幅リニューアルに従事。現在はtoC向けリスキリングサービス「PERSOL MIRAIZ」でUI/UXデザインを担当。デザインシステムやブランディング方針の策定など幅広い業務を担当している。

  • 関川 慧 さん

    テクノロジー本部 デザイン推進統括部 戦略デザイン部

    2022年にパーソルキャリアに新卒入社。現在はユーザー調査など幅広い領域でUXリサーチャーとして活躍している。

  • 金井 彩月 さん

    テクノロジー本部 デザイン推進統括部 戦略デザイン部 ディレクター

    大学ではビジュアルデザインから仕組みのデザインまで幅広い分野を学び、コミュニケーションデザインについて研究。2023年にサービスデザイナーとしてパーソルキャリアに新卒入社。現在は「 toC向けリスキリングサービス PERSOL MIRAIZ」で、顧客体験価値の向上課題やユーザーリレーションを担当している。

「はたらく×〇〇」のサービスを企画する、4ヶ月の研修

4ヶ月に渡る研修期間は、始めの5週間が「座学」、それ以降は「実践」という2つのフェーズで構成されていました。

「座学」フェーズでは、デザイン思考の5STEPに基づいた5段階に沿って構成。ユーザーへの共感・理解力を養う「Empathize Days」、課題発見や解決策を探るための術を学ぶ「Define Days」、課題を解決するためのアイデアや想像力を養う「Ideate Days」、アイデアを具現化・視覚化するためにFigmaの使い方を学ぶ「Prototype Days」、企画の検証や改善策を見つけるために実査や分析の仕方について学ぶ「Test Days」という順で学んでいきました。

「実践」フェーズでは、「はたらく×〇〇」をテーマに、8時間×5日間で課題に対してサービスを企画し発表を行う「デザインスプリント」を実施。実際のプロジェクトと同様、企画やエンジニアといった職能を超えたチームで臨みました。デザインスプリントで出した企画をブラッシュアップしデザインを制作した後は、2チームの中から開発に進む1チームを選ぶための中間発表を行いました。そこで選ばれたチームの企画を全員で開発へと進め、最終発表ではCTOや新規事業責任者からサービスオーナーの視点で審査、フィードバックを受けました。
※デザインスプリント:5日間でアイデアの価値を検証する、GV(旧 Google Ventures)社が提唱したサービス創出に用いられる手法

新卒メンバーが半年後、「活きてきたな」と思える研修に

「準備にどれほど時間がかかっただろう」と思うくらい手厚い内容でしたが、この研修はどのような目的で企画されたのでしょうか?

高橋:

昨年から始まったこの新卒研修ですが、今年は「新卒メンバーが半年後に現場で “活きてきたな、役に立っているな” と思える研修にすること」を目標に、研修内容をブラッシュアップしました。まず、座学はUXデザインの基礎をしっかり身につけられることを重視し、デザイン思考の5STEPを軸に構成。さらに、実際のプロジェクトの一連の流れを体感することを大きなコンセプトに、デザインスプリントを組み込んでいます。

座学で集中的に学んだデザイン思考の5STEPを、デザインスプリントですぐ実践できるのは魅力的でした。

高橋:

そうですね。自分たちでゼロから調査や企画をして、体験設計とプロトタイピングから検証を経てUIデザイン制作・開発まで進んでいく。実際に現場に入ってしまうと、最初はどうしても一部分のみを担当することが多いので、入社の早い段階で、デザイン思考によるサービス作りのプロセスを身につけてほしいという意図がありました。

Figmaトレーニングからユーザビリティテストまで体験する「座学」

座学のフェーズでは、大森さんが「Figmaトレーニング」と題して、新卒メンバーがFigmaを使えるようになるためのワーク設計を担当されましたね。

大森:

Figmaトレーニングは、「多様な職種のメンバー全員が、有益な学びを得られるように」という視点で設計しました。Figmaに親しみが深くないUXリサーチャーやサービスデザイナーのみなさんが、詰まることのないように。かつ、Figmaをある程度触っているUI/UXデザイナーも物足りなく感じないように工夫しました。基礎を説明しつつ、UI/UXデザイナーに向けては時々ハイレベルなTipsを入れたり、別途1on1でトレーニングを実施して補ったりもしましたね。

関川さんは、実査や分析の仕方を学ぶ「TEST Days」を設計されました。

関川:

TEST Daysは、「コンセプト評価」と「ユーザービリティの測定」という2つを軸に設計しました。前半では、仮説検証やプロダクトの方向性のブラッシュアップを通して「コンセプト評価」の方法を学び、後半では、実際のプロダクトをどうユーザーが使うのかを観察・分析する、ユーザビリティテストの手法をお伝えしました。

関川:

コンセプト評価で用いた「ジャベリンボード」は、実務経験がない新卒メンバーに伝わりやすい設計を工夫しましたが、来年の担当メンバーにもさらにブラッシュアップしてもらいたいですね。

デザインスプリント、PoC、プロトタイピング。多様なバックグラウンドのメンバーと手を動かす

続くデザインスプリントでは、 「はたらく×〇〇」をテーマに、5日間でサービスを企画し発表しました。職能ごとのスキルや知見を寄せ合いとても盛り上がりましたが、どのような設計意図がありましたか?

中村:

デザインスプリントを組み込んだ1つ目の意図は、「これまでの振り返り」です。座学を通して学んだカスタマージャーニーマップやペルソナといった手法を、今度は自分たちのサービスづくりに活かしてみることで、手法を自分のものにしてもらおうと考えていました。

まさに、「今まで座学で学んできたことが、こう使えるんだ!」としっくりくる感覚がありました。

中村:

2つ目の意図は、「これからの足がかり」です。実際の現場での仕事は、デザインスプリントで体験する「ユーザー中心」「他職能メンバーとの共創」「発散と収束」の組み合わせや応用でしかないと思うんです。つまり、デザインスプリントは書道でいうところの「永」の字なのかなと。「永」の字には、書に必要な「止め・跳ね・払い」などの全ての筆運びが入っているのですが、「それひとつを修めることで、いつでも立ち返ることのできる基礎が身につく」ところが重なるんですよね。

たしかに、多様なバックグラウンドの人と協働する上での基本的な所作や気づきが詰まっていました。実際にデザインスプリントを実施してみて、企画意図とのギャップはありましたか?

中村:

新卒メンバーの熱量が、想定以上だったことですかね(笑)。高橋さんとも「なんだかすごいね、熱いよね」と話していました。

高橋:

今年はテーマの自由度が高かったことに加え、2チーム体制だったことがより熱量を上げたのかもしれませんね。2チームの中で、開発に進めるのは1チームというヒリヒリする条件があったので、「仲間でありつつ、潜在的なライバル関係」になっていたのかな。やや、「勝負」に傾きすぎてしまったところも否めませんが...。

負けたくない気持ちで、相手チームの進捗や方向性を意識したりする場面もありましたね(笑)。スプリントの後は、PoC検証としてインタビューや中間発表を行い、CTOや新規事業責任者から企画についてフィードバックをもらう機会もありました。検証で用いるプロタイピング制作については、新卒UI/UXデザイナーの大橋さんがFigmaでUIを作り大活躍してくれましたよね。

大森:

今回、大人数のメンバーの中でUI/UXを担うのが大橋さん1人だったり、サービス設計が固まりきらないままUI設計に突入してしまったこともあって、最初は心配しながら見ていたのですが...彼女は日々の1on1で「私は今こう考えていて、こうしていきたい」としっかり伝えてくれていました。徐々に自信を持って提案したり、合意形成に向けて主体的に動けるようになっていく成長が目に見えるんです。「本当に新卒かな?」と思うくらいでした。

そうしてUI/UXデザインが出来上がった後は、エンジニアの新卒メンバーに実際に動くプロトタイプを作ってもらいました。

中村:

現場と同じ、制約がある中でのサービス作りの体験ですね。スコープを削る必要が出て重要な要件を見定める場面があったり、実際に作る過程で細部を詰めきれていない部分に気づけたり。企画を形にしていくプロセスを、肌で感じてもらえたかなと思います。

そうですね、他職能とのコミュニケーションによって「明らかな部分と不明瞭な部分」を整理できたり、意識の細かなズレにも気づけて、徐々にサービスの整合性がとれていく経験ができました。

開発まで進んだ最終案「TONTON」は、「キニナル」を行動に導く情報収集管理サービス

先輩に1on1であらゆる相談ができる「ブラザー・シスター制度」

4ヶ月に及んだプログラムの中で、私たち新卒メンバーの心の支えになっていたのが「ブラザー・シスター制度」でした。毎日の研修後に、先輩たちが新卒メンバーとの1on1を通して、困ったことをすぐに聞いてくれたり、研修での学びをより深めてくれる時間です。その中で先輩方は新卒メンバーとどのように向き合われましたか?

関川:

研修の様子を見ていると、みなさん楽しそうに講義を受けていて、改善意欲の高いタフなメンバーばかりだった印象ですが、一方で「無理をしてないかな」と気にしながら1on1をしていました。

大森:

私は、1on1は友達感覚でラフに話せる時間にして、素でいられる関係を築きたいと思っていました。まずは「今日やったこと」に対して、本人がどう考えどう感じたかを話してもらい、「私もこんなことあったよ」と共有したり。もし何か問題が起こっていれば一緒に考えて、体調とメンタルにも気を配っていました。

中村:

Slackでも、何か困ったことや質問などの連絡が来た時はすぐに対応するようにしましたね。1on1は基本15分の予定だったのですが、プライベートの話にも発展して1時間くらい話したこともありました(笑)。

言葉を超えた部分でも気を配られていたんですね。新卒メンバーからも、「研修での不明点を一緒に解決してもらえたり、スケジュール管理もしてもらえて安心できた」「楽しく雑談をして心がふわっと軽くなるような感覚だった」「パーソルの風土が伝わってきた」といった声がありました!

同期の絆を大切に、職能の壁を超えた活躍を

22年卒の先輩方は、去年は学ぶ側として参加されていたところから今年は教える側に変わり、感じたことはありますか?

大森:

私は去年を思い返すと、現場配属された後になって「研修で教わったこと以外にも結構身につけるべき領域があった」とわかって、「時間がある研修期間のうちに学んでおきたかったな」と思ったんですよね。そこで、今年は内容を8割くらいアップデートしたんですが、今度はあれこれ盛り込みすぎて逆にボリューミーになっちゃって(笑)。量やレベル感の調整に苦労しました。

関川:

僕は昨年の研修が終わった時点では「ざっくり理解した」状態で、UXリサーチャーとして実務に入っていたところがあるのですが、今回もう一度研修内容を見返してみると、一年前よりも内容がスッと入ってきた感覚がありました。また、教える側に立ったことで、伝えることの難しさにも気づけました。

あらためて、新卒目線に立った設計や準備をありがとうございました。最後に、今後に向けた新卒メンバーへのメッセージをお願いします。

高橋:

今回の研修は、UI/UXデザイナーもリサーチやサービスデザインの領域を学ぶなど、職能の壁を超えた内容でした。実際の業務でも、自分の職能だけに閉じず、余裕があれば領域を飛び越えてみてください。自分の職能のスキルをしっかり磨きつつ他職能のスキルにも挑戦してみると、活躍の幅が出てくるかもしれません。

大森:

4ヶ月にも及ぶ、自分以外の職種にまで目を向けられる研修は、大企業ならではですよね。そんな環境の利点をふんだんに享受しつつ、今回たくさんの気づきを得ながら成長したことに自信を持って、配属先で活躍していってください。

中村:

研修で同じ目標に向け一緒に頑張った新卒メンバー間の絆も、ぜひ大事にしてほしいですね。僕たち22年卒メンバーも、今でも困った時は「ちょっと教えて」とSlackで声をかけ合ったりしています。こうした気軽な関係があるのは、新卒入社の一つのメリットだと思います。

関川:

すでにみなさんもプロジェクトにアサインされて実際のしごとが始まっていますが、僕自身も研修を通してあらためて頑張っていこうと感じているところなので、ぜひ一緒に経験を積んでいけたらと思います。

先輩方の期待や願いの込められた設計があったことで、新卒メンバーは楽しみながら研修を終え、活躍のスタートラインに立つことができました。来年は私たちが次の新卒メンバーに伝えられるように、現場での経験を積んでいきたいです!

※ 所属・肩書および仕事内容は、取材当時のものです。

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