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組織の“隙間”をつなぎ、人を尊重する「器」をつくる。全体を見渡せる場所から、より良い未来をデザインしたい。

クライアントプロダクト本部 クライアント戦略デザイン部 ビジネス・組織デザイングループ マネジャー

中村 佳生 さん

中村 佳生

クライアントプロダクト本部 クライアント戦略デザイン部 ビジネス・組織デザイングループ マネジャー

大学・大学院時代は工学部で経営工学・人間工学を専攻し、高齢者とロボットのインタラクションを研究。パーソルキャリアでのインターン体験をきっかけにサービスデザイン領域に出会い、2022年に新卒入社。現在はサービスデザイナーとして、複数の法人向けプロダクトを横断した戦略・体験設計や、AIを活用した新しいシステム基盤の構想などを担う。ビジネス・テクノロジー・クリエイティブの領域を越境し、組織の“隙間”をなめらかにつなぎながら、一人ひとりが尊重される「自己実現の器」としての組織・環境づくりを目指している。

  1. (01)

    (はたらき方のスタイル) Style of Work

    良い意味での“どっちつかずさ”を強みに。
    領域を自由に行き来するサービスデザイナーへ。

    現在の仕事内容を教えてください。

    中村:

    サービスデザイナーとして、doda ダイレクトやdoda CONNECTといった法人向けプロダクトを横断した戦略設計・体験設計を担っています。より具体的にお話しすると、法人向けプロダクトや事業が複数並立する中で、「顧客・事業・技術の視点を整理したプロダクト戦略を策定」したり、自分が所属しているクライアントプロダクト本部全体の「ミッション・ビジョンの言語化や方針の統合」に取り組んだり、経営・事業責任者・開発など「職種やレイヤーを超えた合意形成の場づくり」をしたりしています。

    また、AIやデータ活用を前提とした新しいシステム基盤の構想にもかかわっていて、「なぜその変革が必要なのか」を事業構造や顧客価値の観点から整理し、より確かな経営判断ができるようにストーリーとしてまとめることも重要な業務の一つです。

    目的としているのは、VOC(Voice of Customer)を活かした顧客起点の意思決定が組織やプロダクトに根づく状態をつくること。その実現を目指して、戦略や組織、そしてプロダクトを横断してかかわっています。

    学生時代には、工学部で経営工学や人間工学を専攻していた中村さんがサービスデザイナーという職種を選択したのはどうしてですか?

    中村:

    就活時に参加したパーソルキャリアのインターンシップがきっかけです。エンジニア志望者向けの5日間のインターンシップでしたが、その時にデザインスプリント(高速でアイデア検証を実践するプログラム)のワークショップがあったんです。そこでの僕の立ち回りを見ていたサービスデザイナーや人事担当者から「中村さんはサービスデザイナーに向いているよ」と言われて。当時は就活のごく初期だったこともあり、UXデザイナーは耳にしたことがあったんですが、サービスデザイナーについては全く知らず「何それ?」状態だったんです。でも、この一言がきっかけとなって選考に進みました。ほかの企業のインターンにも参加しましたが、「自分にはここだ!」と確信できたのがパーソルキャリアでしたね。最初のデザインスプリントの楽しさがずっと心にありましたし、接した人たちの価値観や雰囲気に一番共感できました。

    「サービスデザイナーに向いている」とは、一体どんな立ち回りをしたんですか?

    中村:

    あまり記憶はないんですけど、全体のバランスを見て場を進めるファシリテーター的な立ち回りをしていたようで。僕は飲み会でも端っこの席にいたいタイプで、全体を俯瞰して見られる位置にいたい、そうじゃないと落ち着かない性分なんです。その感じがワークショップでも出ていたのかなと(笑)。実際、サービスデザイナーとしてはたらいている今は、すごく楽しくて、無理なくやれていますね。

    なるほど。俯瞰して見ることができる立ち位置が、ご自身の居場所なんですね。

    中村:

    プロダクト作りにおいてもその熱の中心にいるというよりも、全体を見渡せる位置にいてサポートするような、そういう立ち位置がしっくりくる感覚はありますね。BTCモデル(ビジネス・テクノロジー・クリエイティブ)でいうとサービスデザイナーはクリエイティブに分類されますが、実際にはビジネスやテクノロジーにも踏み込んで横断的にプロダクトやサービスに向き合う職種です。また、学んでいた経営工学も工学部の端っこのような、文系と理系の間に位置する学問で、明確にどちらとも定義しきれない領域でした。

    経営工学もサービスデザインも、一つの枠に収まりきらないという共通点があるんですね。

    中村:

    はい、良い意味で“どっちつかずさ”があるんですよね。だからこそ、自由に領域を行き来できる。そんなところに、この職種の面白さと大きな可能性を感じています。サービスデザインの本質は、縦割りの組織図の中にあるのではなく、組織の機能として“切り分けきれなかった隙間”にあると思っています。既存の部署や役割の定義からはみ出てしまうけれど重要な領域、そこに染み込んでいって、掬い上げ、つないでいくことがサービスデザイナーとしての僕の役割だと捉えています。

    「自己実現の器」を整える。
    余白の時間が、組織の人間的な側面を引き出していく。

    具体的にどんな業務でファシリテーションをしているのでしょうか?

    中村:

    例えば「本部の法人戦略や重点施策の策定」「組織のバリューや行動指針の策定」といったビジネス、組織開発面でもファシリテーション力を求められる機会が増えています。ビジネス戦略を考える前者では、本部長や統括部長の方々と連携して全体の進行とまとめ役を務めました。その時意識していたのは「事業戦略づくりとは、事業と社会のインターフェースをデザインすることだ」ということです。企業が社会に提供したい価値(=事業)と、社会が求めるものとの間には、必ずズレや摩擦が生じます。その接点をなめらかにデザインするのが自分の役割だと考えて進めていきました。

    心がけたのは要所要所で「可視化・構造化」することです。経営課題などはどうしても抽象度が高く、言葉だけでは観念的になりがちです。そこで、図解や表をつくる、時にはAIを使って四コマ漫画にしてみるなど、簡単にでも一つ形にしてみることで、頭の整理や目的の再認識がしやすくなり、現実から乖離せずに深い議論ができるんですよね。

    デザインの力があるからこそのアプローチですね。バリュー策定ではどのように考えたのですか?

    中村:

    こちらは「自己実現の器となる場のデザイン」と捉えました。会社はもちろん株主や顧客のために存在するものですが、それ以上にそこではたらく一人ひとりの自己実現を支えるためにあるべきものだと思っています。

    組織の論理で個人を塗りつぶすことなく、役割や機能を超えて、互いを「人」として尊重し合える土壌が作れれば、結果として強い組織になると思うんですね。そのためには、組織として掲げるバリューの中にそこではたらく人たちの価値観が含まれていないと意味がありません。だからワークショップでは、主語を小さく話すことを徹底したんです。「社長が……」「社会的には……」「ビジネス的には……」といった大きな主語ではなく、「僕は、私は、こう考えるんですけど、あなたはどう?」と。個人の想いで話し合える場を作れたことで良いバリュー策定になったかなと思います。

    会社では職能を踏まえた発言が多くなりますし、リモートワークが普及した今、個人の思いを話す場は少ないかもしれませんね。

    中村:

    ビジネスの現場は論理の世界なので、ハレとケで言うと、どうしても“ケ(日常)”が中心になり、感情を出せる“ハレ(非日常)”の場が少なくなっていますよね。だからこそ、ワークショップのようなみんなでわいわい話す非日常の場がますます重要になってきます。僕が主催するワークショップには、毎回テーマがありますが、裏テーマとして常に“メンバーの人間的な側面を引き出す”ことを設定しています。

    社会学者の岸政彦先生がおっしゃる「寄せ鍋理論」※というのがあって、ただ「話し合いをしよう」と言われると構えてしまうけれど、「鍋を食べよう」と集まれば、料理をつつきながら気づけば本音で話ができたりする。実は僕のワークショップも、あえて5〜10分余る設計にしているんです。ワークショップが終わってほっとした時に、雑談が始まる時間がすごく良くて。普段、職能や立場で考えることが当たり前だからこそ、個人として本音で話せる楽しい非日常の場を作りたいという想いは常にありますね。

    ※ 岸政彦『断片的なものの社会学』(朝日出版社、2015年)より

    デザインの意味が広がっている今この時代に、デザイナーとして動くことの面白さややりがいはどこにあると感じていますか?

    中村:

    頭と心のあらゆる部分を総動員するような感覚が大好きです。「論理(Logic)」「倫理(Ethics)」「美意識(Aesthetics)」、いわゆる「真・善・美」の領域を自由に行き来しながら統合していくプロセスが、たまらなく好きなんです。ビジネス的な正しさ(論理)、人としてどうあるべきか(倫理)、そして何が良いと感じるか(美意識)。これらを分断させずに思考でき、相手の表面的な言葉だけでなく、奥底にある「価値観」にまで深く触れられることはデザイナーならではの醍醐味ですね。

  2. (02)

    (生き方のスタイル) Style of Life

    日常の「バランス」と「調和」を大切に。
    生活の基盤を整え、仕事に遊びの余白を。

    2025年にご結婚されたそうですが、家族の時間、自分の時間、仕事の時間に変化はありましたか?

    中村:

    一番の変化は「生活の時間」が増えたことですね。炊事、洗濯、掃除。結婚前にはなじみがなかったことですが、やってみるととっても面白くて。仕事では形のない抽象的な概念や戦略を扱うことが多い分、野菜を切ったり、部屋がきれいになったりする「目に見える結果」がすぐに出る家事は、頭の良い切り替えになるんです。

    家事の分担としては、今はまだ僕の経験が浅いので、献立を考えるといった「クリエイティブ」な領域は妻で、切ったり炒めたりする「オペレーション」の実作業を僕が担っています。一生懸命作って、最終的な味付けは「監督、チェックお願いします!」と妻に頼っていますが(笑)、僕も早く上流に食い込んでいこうと絶賛見習い中です。家事は単なるタスクというより、日々の暮らしを労っているようなあたたかい感覚があって、生活の基盤を整えるこの時間をすごく楽しめています。

    知識も好奇心も豊富ですが、プライベートでインスピレーションを得るのはどのようなときですか?

    中村:

    本やアートに触れたり、Podcastを聞いたりする時間が好きです。プライベートでの気づきが仕事に活きることもよくありますね。例えば、組織のワークショップって、みんなの心をつなぎフラットな関係に戻す「大事な儀式」だなと気づいたことがあって。そこから文化人類学者のレヴィ=ストロースが儀式について語った文章を読んで解像度を深めたりしました。

    また、美術館に行くことも好きなのですが、個別のアート作品よりも、建物やその場の雰囲気にインスピレーションを受けることが多いんです。現代アートのような個性豊かなものを、うまく一つの世界観として収めている美術館の建築や場の作り方ってすごいなと。それって、僕自身が目指している「個性豊かなメンバーを受け止める“器”のような組織づくり」にも通じる部分があるんですよね。直近では瀬戸内海にある豊島美術館(香川県)がとても良かったです。僕は常に、過不足なく要素が揃っている「バランス」と、それぞれが響き合い美しさがある「調和」の違いを意識しているんですが、まさにその両方が体現された空間に触れると至福を感じますね。

    ※ クロード・レヴィ=ストロース『野生の思考』(みすず書房、1976年)より

    個人の知的好奇心や哲学が、仕事上の課題とシームレスにつながっている感じですね。ちなみに、フルリモートではたらかれているそうですが、ワーク・ライフ・バランスはどう考えていますか?

    中村:

    僕の中で一番の優先順位は「ライフ」です。ある野球選手が言われていた「たかが野球、されど野球」という言葉が心に残っていて、僕も仕事に対して「たかが仕事」と言えるなと。もちろん、仕事をいい加減にするという意味ではありません。「たかが仕事、されど仕事」のスタンスです。

    人生の全てを仕事に支配されるのではなく、生活の一部として健全な距離感を保つからこそ、プロとして最大限の敬意と熱量を発揮できるのだと思っています。一つに100%集中してしまうと、逆に「遊び」や「余白」がなくなってしまいますからね。フルリモート環境でも、あえて議題のない「井戸端会議的な対話」の時間を意識的に作っているのもそのためです。目的や議題という枠組みがないからこそ生まれる“間(ま)”があり、そういった余白の時間があるからこそ、お互いの本音がポロリとこぼれ落ちて、それがいつしか良い仕事につながっていくんだと思います。

  3. (03)

    (未来へのスタイル) Compass to the Future Compass to the Future

    人を手段として扱わない社会をつくる。
    無意識の偏りを解消し、誰もが尊重される世界へ。

    これからパーソルキャリアで実現したいことを教えてください。

    中村:

    LLM(大規模言語モデル)などのAI技術と、これまでパーソルキャリアが長年にわたって培ってきた膨大な情報、さらにはパーソルキャリアならではの「人の良さ(ヒューマンタッチ)」を高度に融合させることで、画期的な新サービスを構築したいです。そしてそのためにも、革新を生み出す土台としての「温かく、かつ強い組織づくり」に取り組んでいきたいと思っています。

    一人のデザイナーとして作っていきたい未来はありますか?

    中村:

    一人ひとりが尊重され、決して手段として扱われない社会を作っていきたいと思っています。時代は進みましたが、依然として個人の人生や尊厳が、誰かの目的のために消費される場面は世の中に数多く存在しています。人を「リソース」ではなく「感情や意思を持った個人」として僕自身も向き合い続けたいし、社会全体もそうあってほしいと思っています。無意識のうちに生まれてしまう偏りを一つひとつ解消して、誰もが尊重される世界をつくることは、僕の変わらない目標ですね。

    僕は「はたらいて、笑おう。」というグループビジョンを大切にしていますが、だからこそ、それを多角的な視点で咀嚼し直し、時代に即した意味を問い続けることは大事だと思っています。また、「キャリアオーナーシップ」も個人の主体性を尊重する言葉ですが、それがいつの間にか「頑張らない人が悪い」といった自己責任論にすり替わってしまわないか、既存の社会の仕組みからこぼれ落ちてしまう声はないか。そうした問いを自分たちに投げかけ続けることも、ビジョンを形骸化させないために必要なことだと考えています。

    AIが進化していく時代、「はたらく」の意味だってきっと変わっていきます。その時代に合わせて、はたらく人に寄り添った意味と想いを、自分たちの仕事にしっかり込めていかなくてはと思っています。

    これからパーソルキャリアで共にはたらきたいのはどのような人でしょうか。

    中村:

    「愛すべき不器用な人」でしょうか。変な言い方ですけど、うちの会社ってそんな人が多い印象で(笑)。もちろん仕事のスキルは高いのですが、たとえば言われたことをそのままこなせば楽なのに納得いかないと立ち止まって悩んだり、つい自分の色を出しすぎてしまったり。でも、内側に抱える複雑さや葛藤を仕事だと割り切れない人がいてこそ、味のあるサービスや事業が生まれると思うんですね。

    それはパーソルキャリアではたらく人たちが「多様な価値観」を持っている証拠であり、それこそが会社としての何よりの強みだと思います。そういう人たちの想いを引き出し、自分らしくいられる場を作るのが僕のやりがいであり役割です。不器用さを大いに発揮しながら成長できる環境づくりを、僕自身もますます頑張ります。

    ※ 所属・肩書および仕事内容は、取材当時のものです。

    執筆:宗像 誠也(White Note Inc.)
    撮影:吉田 周平
    編集:重松 佑(Shhh inc.)
    撮影協力:調布市観光協会

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