
(プロジェクト概要)
堅い企業イメージの刷新を図る。親しみやすく、読み進めやすいリクルートサイトの制作。
首都高速道路の仕事と聞くと、大規模インフラを担う高い安定性を想起すると同時に、半官半民の堅いイメージを持つ方も多いでしょう。それゆえに、学生や転職者からは「保守的で仕事のやりがいを感じにくいのではないか」「新卒採用が中心で、キャリア採用はしていないのではないか」という先入観を持たれやすく、はたらく上での興味に繋がりにくいことが、首都高速道路様の採用における課題でした。
首都高速道路様のリクルートサイトリニューアルプロジェクトは、Webサイトの中に、Webショートドラマ、縦型インタビュー動画、プロジェクトストーリー動画、インフォグラフィックスムービーなど、さまざまなコンテンツを包括しています。大規模なプロジェクトを成功させるため、クリエイティブチームも大所帯で臨みました。
チーム一丸となって目指したのは、堅い企業イメージを刷新する、親しみやすく読み進めやすいリクルートサイトの制作。首都高速道路を通して「人々の生活や日常に寄り添う会社」であるというメッセージを軸に、ダイナミックな業務内容や、はたらく人々への親しみやすさを感じさせるサイトを構成しました。
(プロジェクトの背景)
提案からワンチームとなり、生み出された化学反応が独自性として評価。
プロジェクトが動き出したのは、2023年6月。営業担当者が情報をキャッチしたことで、首都高速道路様のリクルートサイトリニューアルに伴う、3社のプロポーザル方式のコンペへの参加権を獲得。ターゲットとなる学生・転職者双方に対して、半官半民の堅いイメージを払しょくすることが必要であるという仮説を立て、これまでの首都高速道路様のリクルートサイトにはない数々の新しい企画を盛り込み、プレゼン本番を迎えました。
プレゼン本番では、「そうか、首都高は、想いも走らせてるんだ。」という情緒的なキャッチコピーとコンセプトで全体を設計する案をメインとし、従来のリクルートサイトからの刷新をご提案。UI/UXの改善や、明るく動きのあるデザインなども複数案提示しました。また、リクルートサイトにおいては目新しいコンテンツである、Webショートドラマや、スマホ最適化の縦型インタビュー動画もご提案。結果、サイト全体と独自性において高い評価を獲得し、ご期待をいただくことができました。クリエイティブチームが、本格的に提案から参加した事例となりました。
(プロジェクトのプロセス)
社内外と首都高「らしさ」の目線を合わせ、世界観を深く共有し合う。
キックオフからサイト公開までの期間は6カ月。コンテンツが多く大規模なプロジェクトだったため、クリエイティブチームは、動画チーム、デザインチーム、ライティングチームの3つに分かれて制作を進めました。
2023年8月:キックオフ
- サイトデザインのトンマナを決定
- グランドデザインの決定
- デザインワイヤーフレームの決定
- 取材・撮影対象者の選定
- 取材・撮影の実施
- 動画や記事の制作
- コーディング
2024年2月:公開
当初のスケジュールから一切の遅延なく公開。社員同士の協業はもちろん、首都高速道路の担当者様もチームとなり、ともに作り上げていきました。手戻りもなく、一体感を持って制作を進めることができました。
制作物が多く、関与者が多いほど、全体のトンマナを揃えることは困難となります。そこで、首都高「らしさ」を分解し以下の3つに定義。社内のみならず、首都高速道路様ともサイトの世界観を深く共有し合うことで、全員が同じ方向に歩みを進めることができました。
- 首都圏の未来を見据えるダイナミックさ
- 多種多様な仕事・可能性を感じさせるカラフルさ
- 実際にはたらく方の姿が見える親しみやすさ

(プロジェクトの詳細)
目指したのは、隅々まで見て飽きないサイト。
サイト全体の世界観を強固に理解し合い、制作を進める中で、首都高速道路様の魅力をより伝わりやすくする観点での意見も活発に生まれるようになりました。
例えば、もともとは文字だけで構成する予定だった「仕事紹介」のページ。これに対して、首都高速道路の職種と仕事は具体的なイメージが持ちづらいからこそ、ターゲットの興味を惹くことが重要だというアイデアが出ました。最終的には、スクロールと同時に車が走るUIで楽しく表現しています。また、「データで見る首都高」のページも、カードをモチーフとしたデザインに変更し、ワクワクしながら読み進められる工夫をしました。
どこを切り取っても魅力的なサイトになるよう、各人が役割分担をする中でも、専門性を高く発揮してクリエイティブに臨みました。
サイト全体のアートディレクション/UI/UX
情報を伝えるためのサイトである前提に立ち、情報がぶつ切れにならないよう、サイト全体の回遊性を高める構成としました。一方で、楽しく読み進められるようUXの向上も重視。アニメーションや、カードをモチーフにしたデザインなどの遊び心を取り入れています。
縦型インタビュー動画
撮影~編集まですべて内製で対応し、スマホ最適化の縦型ショート動画を制作。設営された場所だけでなく、各出演者が「実際に仕事をしている最中」のインタビューパートも取り入れることで、短い時間ながらも現場の臨場感を演出しました。また、一般的な横構図の動画に比べると映像の奥行きを出しづらくなるため、人にフォーカスしたいときにはしっかりと寄り、現場や風景を見せたいときには引いて撮るなど、カットごとのメリハリを意識しました。

プロジェクトストーリー動画
撮影~編集まですべて内製で対応し、高速大師橋リニューアル、川口ハイウェイオアシス、神奈川新社屋の見ごたえのある3本のプロジェクトストーリーを制作。首都高ならではのダイナミックな仕事ぶりを伝えるため、壮大な色調やアニメーションを意識しました。冒頭のトランジションも、スマートでシームレスに場面転換することで雰囲気をつくっています。

3分で分かる首都高(インフォグラフィック)
首都高の事業の特徴や未来を見据えたプロジェクトなどを、3分間のインフォグラフィックスムービーで紹介しました。平易な言葉でナレーション原稿を作成したり、誰もが見たことのある黄色のパトロールカーをコミカルに走らせたりなど、全体的に親しみやすさを演出。ナレーション原稿、画コンテ、イラストのトンマナ、静止画、アニメーション、完パケとフェーズを分けることで、修正工数を抑えながらも高いクオリティを追求しました。

Webショートドラマ
「そうか、首都高は、想いも走らせてるんだ。」の採用コンセプトを展開し、脚本から企画。「人々の生活や挑戦を後押しする首都高は、無数の感情やストーリーが交錯する舞台」でもあるとし、堅い会社と思われがちなイメージを払拭する、エモーショナルな雰囲気のドラマを制作しました。

サイト全体のライティング
首都圏のインフラを支えるという社会的な重要性の高さ、そこではたらく方たちの専門性の高さを齟齬なく伝えることを意識して取り組みました。取材部分はあえて「丸める」表現は避けて、業務の厳しさも伝わる硬質な内容としました。
(実績と効果)
学生の10人に1人が、リクルートサイトをきっかけにエントリー。
首都高速道路様にエントリーした学生に「どの媒体で企業を認知したか」とのアンケートを集計。その結果、10人に1人は、今回のリクルートサイトをきっかけにエントリーに繋がっています。
(メンバーからのコメント)
完成した動画やサイトの内容は、想像を超えるほどの出来栄えでした。サイト全体は洗練されたデザインでスタイリッシュである反面、動画や職種ごとのはたらき方の部分など閲覧者の目に多く留まるところはポップなデザインに仕上げていただき、社内からも大変好評をいただいております。制作に当たっての調整等、難しい要素も沢山あったことと思いますが、最後まで当社と伴走してくださり、とても信頼のおけるパートナーとなりました。

首都高速道路株式会社 総務・人事部 人事課
藤井 玲那 さん
メンバーだけでなく、お客さまも一つのチームとなり、同じベクトルに向かうことで、制作中でも高いモチベーションが保て、いいアイデアがたくさん湧いてくるということを再認識することができたプロジェクトでした。

採用ソリューション事業部 制作統括部 プランナー/クリエイティブディレクター
尾形 八起 さん
全体のディレクションを担当させていただく中で、お客さまのご要望をヒアリングしながら最適な構成を提案し、各コンテンツに落とし込みました。インタビュー記事や動画、アニメーションといった多岐にわたるコンテンツを同時並行で制作し、さまざまな軌道修正もありましたが、遅延することなくサイト全体を公開することができて安堵しております。

採用ソリューション事業部 制作統括部 ディレクター
吉田 瑞樹 さん
お客さまと各チームのメンバーが一つとなり、ゴールに向かって全員が前向きにアイデアを出し合いながら取り組めたプロジェクトです。この規模のプロジェクトに内製デザインチームで関われたことは大きなやりがいになりましたし、自分自身もデザイナーとして、企画・提案・設計段階から携われたこともよい経験となりました。転職希望者の方々がこのサイトをきっかけに、幅広い首都高様の仕事に興味をもってくれたらいいなと思います。

採用ソリューション事業部 制作部 アートディレクター/デザイナー
林 園子 さん
動画は演出や編集でどうにでもなると思っていましたが、今回の案件で実際に大きなプロジェクトに関わった方々の生の声に勝るものは無いと感じました。インタビュー動画において大事なのは、過度なアニメーションや演出ではなく、動画全体の雰囲気を壊さず、見る人にテンポ良く届けることだと学びました。

採用ソリューション事業部 制作統括部 デザイナー
坂井 淳也 さん
プロジェクト規模、そしてそれに付随して関わるメンバーの数も、当時としては最大級のプロジェクトでした。現場での取材・制作はとにかく目の前にある課題に向き合い、乗り越えていくしかありません。ですが、同時並行で形作られていくサイトの洗練されたデザインが、それを力強く後押ししてくれたと感じています。この格好いいサイトに自分たちの作ったコンテンツが掲載されたことは、プロジェクトメンバーみんなの誇りです。

採用ソリューション事業部 制作統括部 コンテンツディレクター/ライター
小南 恵介 さん
(クレジット情報)
- Client
- 首都高速道路株式会社
- Planner
- 尾形 八起
- Director
- 吉田 瑞樹
- Art Director
- 林 園子
- Motion Designer
- 坂井 淳也
- Contents Director
- 小南 恵介
(プロジェクト情報)

首都高速道路 採用サイト
首都高速道路を通して「人々の生活や日常に寄り添う会社」であるというメッセージを軸に、ショートドラマ、インタビューやプロジェクトストーリー動画、インフォグラフィックスムービーなどの多様なコンテンツを通じて、ダイナミックな業務内容や、はたらく人々への親しみやすさを感じさせるリクルートサイト。
※ 所属・肩書および仕事内容は、取材当時のものです。
執筆:前岡 舞呂花
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