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デザインの力でチームメンバーの心をひとつに。ハイキャリア支援統括部 行動指針策定プロジェクト。

Launch :
October 2024

(プロジェクト概要) Outline

ワークショップとWebサイトでミッション・バリューの組織内浸透を目指す。

今回のプロジェクトの舞台となったのは、年収600万円以上のハイキャリア層をターゲットにした転職支援事業を行う「ハイキャリア支援統括部」です。2025年2月現在、ハイキャリア支援統括部には、約200名のキャリアアドバイザーが在籍しています。

組織が急拡大を続けるなかで、新たに策定したミッション・バリューを組織内に浸透させるとともに、ハイキャリア支援統括部としての共通の価値観を確立するため、行動指針の策定プロジェクトが立ち上がりました。

プロジェクトをリードしたのは、組織開発を専門とするメンバー1名と、サービスデザイナー2名です。ミッション・バリューの理解を深めながら、行動指針と、具体的なアクションとしてのDos & Don’ts(良い行動と悪い行動)を定めるべく、ハイキャリア支援統括部のマネジャーを対象に、計5回のワークショップを実施しました。

また、ワークショップで行動指針を言語化した後には、日頃、顧客企業の採用ブランディングを支援している「採用ソリューション事業部 デザイングループ」の8名のデザイナーによって、行動指針をビジュアル化したWebサイトを作成。メンバーが日常的に触れる社内ポータルで公開することで、ハイキャリア支援統括部の文化醸成に貢献しています。

(プロジェクトの背景) Background

組織のモードチェンジを加速させる行動指針の策定へ。

組織のメンバーが100名から200名へと急拡大するなか、エグゼクティブマネジャー(統括部の組織長。以下、EM)とゼネラルマネジャー(部の組織長。以下、GM)を中心に、新たなミッション・バリューが策定されました。メンバーの急増に伴い、実務で迷ったときにメンバー自ら正しい選択をするための“よりどころ”が必要だったのです。

ミッション・バリューを組織に浸透させる鍵を握るのは、EM・GMと現場をつなぐ役割を担うマネジャーです。まずはマネジャーが、ミッション・バリューに込められた真意を正しく理解し、腹落ちした状態にならなければ、現場のメンバーに展開することはできません。

そこで選ばれた3名のプロジェクトリーダーは、マネジャーを対象としたワークショップを設計し、行動指針に基づく具体的なアクションとしてのDos & Don’tsを決めることにしました。ワークショップにはEM・GMも参加し、ミッション・バリューに込めた想いを一方的に伝えるのではなく、マネジャーと共に語り合い、理解を深め合う“共創の場”にすることを目指したのです。

こうして、今後の組織の軸となる、行動指針の策定プロジェクトが始まりました。

(プロジェクトのプロセス) Process

共創ワークショップで目線を合わせる。

ワークショップでは10名のマネジャーを3つのグループに分けました。それぞれのチームには、プロジェクトリーダー(企画チーム)の3名と、GM3名が入り、オブザーバーとしてEMが各チームを回る構成です。

miroを使ったオンラインのワークショップは約2週間に1度、2時間ずつ、計5回行いました。ワークショップを設計するうえでは、具体的にどんな行動をしてもらい、それを実行することで参加者の思考や感情がどのように変化していくのかを洗い出しながら、綿密に検討を重ねています。

ワークショップのベースとなるハイキャリア支援統括部の5つのバリューは、次の通りです。

  • Trend Maker(ハイキャリア転職のトレンドをつくろう)
  • Discussion(ディスカッションを大切にしよう)
  • Intelligence(あらゆることに興味を持ち知性を育もう)
  • Execution First(実行力こそすべて)
  • Work Elegant(豊かな心で優雅に働こう)

次に、ワークショップ各回の内容をご紹介します。

<導入:インプット>

EM・GMから、「ミッション・バリューの浸透がなぜ必要か」「浸透の際にマネジャーの役割がいかに重要か」をレクチャーしました。

<知る活動(1回目):解釈をそろえる>

  1. アイスブレイクとして、5つのバリューを「好き/あまり好きではない」と「理解できる/あまりわからない」の4象限に振り分け、自分のバリューマップを作成。
  2. EM・GMからバリューに込めた想いを聞きながら、モヤモヤしている点を付箋に書き出し、ディスカッションを行いました。
  3. 自分のバリューマップを見直し、5つの中から2つのバリューを選んだうえで、そのバリューに紐づく行動を「トライアクション」として決定。自分で決めたトライアクションを、3週間にわたって実践していきます。

<知る活動(2回目):解釈をそろえる>

1回目の「知る活動」を行った際に、バリューに対する解釈に大きなばらつきがあることが判明したため、別の角度からもう一回「知る活動」を実施することに。5つのバリューが「因果・循環・対立・グループ」のいずれに当てはまるのか、その関係性を考え、バリューコネクションマップを作成しました。

<創る活動:行動指針と、具体的なアクションとしてのDos & Don’tsをつくる>

  1. 5つのバリューの中で、すでに体現できているものもあるはずです。今後もアクセルを踏み込んで推進していきたい行動(=Dos)を付箋に書き出しながら、アイデアを発散していきました。
  2. 次に、2年後を見据えて、「今はまだできていないが、あるべき未来で実行している行動」を付箋に書き出し、チーム内で共有しました。
  3. 最後に、「私たちは本来こうだったよね」という感覚を思い起こすために、これまで大切にしていた想い・スタンス・行動を書き込んでいきました。
  1. 発散した行動を、類似する物事にグルーピングしたり、最も重要な行動を投票で選んだりしながら、5つのバリューそれぞれに対し6個ずつのDosに整理しました。

<役割理解:Dosを30→5に絞る過程でマネジャーが自身の役割を理解する>

  1. 創る活動で挙がった30個のDosを10個(1バリューにつき2個)に絞るために、「ミッション・バリューの適合度の高/低」と「ハイキャリア支援統括部としての共感の高/低」の4象限に振り分けていきました。
  2. マッピングした後は、行動指針として残したいものに1人2票ずつ投票したうえで、チームとして残したいものを決定していきました。
  3. チームで議論した結果を全体で共有し、質疑応答の時間を設けました。
  4. 票が多く集まった行動指針を踏まえ、理想のチーム像を個人で描き、共有しました。

これらのワークショップを通じて、マネジャーはミッション・バリューを浸透させる難しさを実感すると同時に、「日々の業務の中でマネジャーとしてミッション・バリューを体現するとはどういうことか」を自分ごととして捉え、チームメンバーを導くイメージを固めていきました。

そして最終的に、プロジェクトリーダーの3名でDosの反対となるDon’tsを言語化しています。

(プロジェクトの詳細) Details

Webサイトで行動指針をもっと身近に。

完成した行動指針をもとに、8名のデザイナーチームがWebサイトを作成しました。Webサイトとしてビジュアル化することで、行動指針を身近に感じてもらうとともに、帰属意識の向上やインナーブランディングに寄与できると考えたからです。

ハイキャリア支援統括部のメンバーはリモートワークが基本となるため、社内ポータルでの公開を想定して、Microsoft Share Pointで構築することに。まずはデザインチーム全員でブレストを行ない、テーマについて議論を重ねました。

モチーフとして「カード案」と「レコード案」と「地図案」が挙がり、なかでも多様性を表現しやすく、バリューごとにイラストのテイストが変わっても違和感のない「レコード案」に決定。次に、ハイキャリア支援統括部ともブレストを繰り返しながら、各行動指針に最適なイラストの表現方法を検討し、最終的に決まったものを描き起こしていきました。

各バリューに対し、Do(左)とDon't(右)の行動をイラストで表現

たとえば、「キャリアとパーソナルの両面から気づきを提供する」という行動指針についてのDo&Don'tを見てみましょう。「内省を通じて気づきを提供し、顧客の奥底にある潜在ニーズをあぶり出し顧客にとっての最高な未来を描こう」というDoは、玉ねぎの中から宝石が出てくるイラストで表現。それに対し、「顧客と表層的なやり取りで終始し、カウンセリングを予定調和で終える」というDon’tは、ベルトコンベアーで玉ねぎが流れていくのを見過ごすイラストで表現しています。

情報設計が得意なデザイナー、ビジュアルデザインが得意なデザイナー、イラストが得意なデザイナー、それぞれが自分の得意分野を活かして主体的に案件に携わり、デザインの力を最大限に活用しながら事業部の成長に貢献することができました。

(メンバーからのコメント) Voice

組織開発に長く携わってきましたが、デザイナーの方々の力を借りながらカルチャーづくりに挑むのは初めてであり、組織開発担当としての視野を広げる貴重な機会となりました。また、大好きな組織であるハイキャリア支援統括部の前進を支えるベースづくりに関われて、私にとって非常に価値ある経験となりました。

エージェントサービス事業部 組織開発部

池田 優美 さん

急拡大する組織の新しい土台づくりとも言える重要な取り組みに責任を感じながらも、デザイナーとして楽しく進めることができたのは、カルチャーを大切に考えるリーダーや組織づくりに前向きなマネージャーのみなさんと、共創できたおかげです。

クライアントプロダクト本部 クライアントサービスデザイン部 戦略デザイングループ マネジャー

高橋 靖正 さん

今回、特に印象に残ったのは、参加者のみなさんの熱量の高さでした。日々の業務で忙しい中でも積極的に参加してくれましたし、普段のキャリア面談で培われた高い対話スキルに、大いに助けられました。まさに弊社の価値観を体現するみなさんと、組織開発の分野でご一緒できて、とても心に残るプロジェクトになりました。

クライアントプロダクト本部 クライアントサービスデザイン部 リードサービスデザイナー

中村 佳生 さん

「行動指針を視覚的にわかりやすくビジュアル化して届ける」という大切な最終フェーズにおいて、デザイナー一人ひとりが得意なスキルを活かしながら、力を合わせて楽しく取り組めたプロジェクトでした。このプロジェクトを通じて、ハイキャリア支援統括部とともに、私たちデザイナーチームも大きく前進できたと感じています。

採用ソリューション事業部 制作部 アートディレクター/デザイナー

林 園子 さん

(クレジット情報) Credit

Producer
山口 義之 / 影山 大輔 / 齋藤 久敏
Project Owner
池田 優美
Facilitator & Designer
高橋 靖正 / 中村 佳生
WebDirector
守田 直樹
Coder
小野 祥平
Illustlator
播本 未来 / 清水 真央 / 須田 俊一郎
Designer
林 園子

※ 所属・肩書および仕事内容は、取材当時のものです。

執筆:野本 纏花
編集:重松 佑(Shhh inc. )

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