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転職希望者により速く、より高い価値を。600時間超の工数を削減した、 doda LPの更新性向上・体制強化プロジェクト。

Service :
doda LP
Launch :
February 2024

(プロジェクト概要) Outline

dodaと転職希望者のタッチポイントを見直し、体験価値をアップデートするために。管理体制の抜本的な改善を推進

doda(デューダ)」求人情報サービスでは、転職希望者の方々がご自身に合った仕事と出会えるよう、都道府県や職種・業界などに分けた、「doda」サイトにつながる複数の導線を設けています。転職希望者が転職を検討するタイミングで求めている情報を的確に届けるうえで、このタッチポイントは重要な領域です。 

しかし、転職希望者のニーズに沿って窓口となるLPの新設やカスタマイズを繰り返すうちに管理工数が膨れ上がってしまい、次第に業務を圧迫するようになりました。その後、担当者の入れ替わりなどで業務の属人化が進んでいき、膨大なLPを個別管理するという複雑な作業環境となっていたのです。加えて、別事業部の開発チームで担当していた内容が多く、軽微な修正でも事業部をまたいだコミュニケーションが発生していて、一度の更新作業に数ヶ月の時間を要するシーンもありました。

今後、dodaが転職希望者に届ける価値をアップデートしていくためにも、工数の増大化と業務の属人化を優先課題として捉え、プロジェクトチームを発足。約1年半かけて、プロジェクトチームがLPの管理体制をどのように変えていったのか。変革の軌跡をご紹介します。

(プロジェクトの背景) Background

約300ページに及ぶLPを精査し、有効な設計・運用の方針とワークフローを模索。

doda広告領域のLPは約300ページにも及び、マーケティング施策による個別最適化を繰り返していました。その度に担当者の裁量で業務を進めていたことから、サイトの構造やソースコードの書き方などがLPごとに異なり、全体最適化ができていなかったのです。これにより定期更新で全てのLPを修正する際の工数が増大化し、更新完了までに数ヶ月の時間がかかることも珍しくありませんでした。

また、タスクの進行・管理面にも課題がありました。それは個人の裁量が大きすぎるあまり、担当者以外のメンバーが案件の全容を把握できていなかった点です。有休の取得や異動・退職などに伴って担当を引き継ごうとしても、ルールが曖昧であったことからどのように進めるべきか判断ができず、チャットでの確認回数が数百回に及ぶほど深刻な状態でした。

開発チームとの連携に関しては、事業部をまたいだコラボレーションの性質上、軽微な修正依頼であっても所定の手続きを踏む必要がありました。そのため、工数観点では数日で終わることも数週間かかっていて、管掌領域の見直しが急務となっていました。 

これらの課題を解決すべく、プロジェクトチームは全てのLPにおいてサイトの構造やソースコードの記述方法などを調査・整理。あるべき設計方針・運用方針の策定や、それを実行するための効率的なワークフローの実現に向けたディスカッションに取り掛かりました。

(プロジェクトのプロセス) Process

工数の増大化・業務の属人化に向けたアプローチ

  1. 目線合わせ:前任が引き継ぎ用に残した動画資料をもとにチームメンバー間の認識をすり合わせ、ルールを明確化。 
  2. ワークフロー改善:案件発注用のツールをOutlookからbacklogに移行し、依頼内容や担当領域を透明化。担当者確定後、Teamsの専用チャネルで案件を進行。 
  3. ソース精査:LPごとの差分を踏まえてソースコードの更新性を改善すべく、共通パーツ・独自パーツの整理を実施。 
  4. 方針策定:工数を抑えつつ、誰でも簡単に更新ができる設計方針・運用方針を模索。 
  5. 開発連携:CMSへの移管や外部ファイル化すべき項目を精査し、管掌領域を見直す 
  6. リニューアル作業:約300ページのLPを効率的に更新するため、作業内容が直感的に分かる説明動画、デザイン単位での専用ひな形、新規生成・修正用マニュアルをそれぞれ作成し、LPのリニューアルを実行。 

(プロジェクトの詳細) Details

工数を抑えながら、誰もが簡単に。約300ページのLPを一括修正・更新できる仕組みが完成。

約300ページにも及ぶ膨大な量のLPを効率的に運用するうえでプロジェクトチームが大切にしたポイントは、「可能な限り少ない工数で修正ができること」と「誰でも簡単に修正ができること」の2点です。仮に修正工数を限りなく抑えられたとしても、それが特定のメンバーにしか実行できないレベルのものでは意味がありません。だからこそ、2つのポイントの両立が重要だったのです。

また、当時は開発チームの管掌領域が多く、事業部をまたいだ依頼になることから修正完了までの期間がどうしても長引いていました。そのため、いかに他部署に依存せず、デザイン部のみで完結できる領域を広げられるかという点も、プロジェクトチームにとって重要なポイントでした。

これらの課題を乗り越えるうえで、プロジェクトチームではこれまでの担当者が個別に制作してきたLPのレイアウトパターンを洗い出し、共通化すべき点とそうではない点を整理。あるべき設計・運用の方針は着実に固まっていきましたが、高度なコーディング技術を使わず、少ない修正工数で誰もが簡単に修正できる状態を実現することは容易ではありません。認識の齟齬が発生することもあり、その度にミーティングを開いてメンバー全員の認識をすり合わせていきました。

そして数ヶ月に及ぶ議論の末、ついにプロジェクトチームはその手法を導き出しました。

LPのレイアウトパターンを整理し、共通パーツと独自パーツに区分。更新性を基準に切り出した各パーツの必要性を検討しました。また、ヘッダやフッタのソースコードをCMSに移管したことで、デザイン部での完結領域が拡大。修正に数週間を要していた内容も、数日で完了できる状態になりました。

これまではLPごとにHTMLやCSSが記述されていましたが、今回のリニューアルによってHTMLの最適化やCSS・JavaScriptの共通化などが行われ、LP全体のデザイン調整が大幅に効率化されました。デザインのひな形やマニュアルなどの補助要素を絡めることで、デザイン部のメンバー全員が業務を担当できる状態になり、属人化の改善にも貢献しています。

(実績と効果) Impact

驚異的な工数削減と業務の標準化が評価され、「デザイン部アワード マネージャー賞」を受賞

  • 作業工数

    98.8 % 削減

  • Webアクセシビリティ

    110 % 改善

本リニューアルによる成果は、約4ヶ月(約640時間)かかっていた作業を1日(約8時間)に抑えたという工数削減だけではありません。属人化していた業務を誰もが遂行できる状態にしつつ、LP全体のパフォーマンス改善にも貢献した結果、doda広告領域の効果も向上しています。本プロジェクトによる取り組みが評価され、プロジェクトチームは社内表彰制度のひとつである「デザイン部アワード」でマネージャー賞を受賞しました。

また、LPの一括修正・更新ができる仕組みが整備できたことで、企画チームとの連携による新たなマーケティング施策にも積極的に取り組めるようになりました。リニューアルによって削減できた工数で2024年上期には6種類のLPO施策を実施し全て数値改善。そのうち1つの施策では119ページの改善を実施するなど、大きな成果にもつながりました。2024年下期にはLPO施策のさらなる推進や既存LPの改善に加え、デザインチーム主導でSNSバナー広告やLPO施策の企画・制作から効果検証まで回せる体制に昇華。これにより、転職希望者に対して今まで以上に価値を届けられる状態になっています。

(メンバーからのコメント) Voice

今までは企画側の施策に相乗りする形が多かったなか、今回はデザインチーム発信の施策でした。様々なチームからレビューをもらい、企画・デザイナー・エンジニア間で密な連携をとったことで今回の大規模改修・広告LP全体の数値改善が叶いました。その後も、デザインチームからさらなる提案を行っており、デザイナーが携わる領域は一層広がってきています。引き続き、チーム一丸となって取り組んでいきたいです。

プロダクト&マーケティング事業本部
カスタマープロダクト本部
デザイン統括部
デザイン1部
dodaデザイン第1グループ
デザイナー

葛西 千夏  さん

今まで手を付けられていなかった領域に対して、今回、設計の段階から参加し無事にリリースまでたどり着くことができました。改修後は、実際に少人数・短時間での定期更新が行えています。このような大きな工数削減が叶ったのも、メンバーの協力があってこそでした。

プロダクト&マーケティング事業本部 カスタマープロダクト本部 デザイン統括部 デザイン1部 dodaデザインエンジニアグループ デザイナー

内田 恵子 さん

本施策は、私が入社後きちんと参加する最初の案件だったため、慣れないことや不安も多くありましたが、チームや関係者の皆さんのおかげで無事リリースまでたどり着くことができました。大きな工数削減にもつながり、本施策に関われて良かったと感じます。今後もこのような大きな工数が発生してしまっている領域に対して改善を進めていきたいです。

プロダクト&マーケティング事業本部 カスタマープロダクト本部 プロダクト開発統括部 dodaグロース開発部 dodaサイト開発第1グループ コンサルタント

吉野 良太 さん

直近でLP改修の頻度が増えていたなか、対象となる大量のLPを毎回何か月もかけて改修していた状況が、 今回の取り組みにより大きく改善されました。全関係者の工数削減に繋がり、ほかのLPO施策も進められるようになったことは大きな成果だと感じています。

プロダクト&マーケティング事業本部 ブランド・マーケティング本部 ブランドコミュニケーション統括部 デジタルマーケティング部 dodaデジタルマーケティンググループ デジタルマーケター

山田 優希 さん

当初、対応するページ数が多く、どうすれば効率良く改修できるか悩みました。「ヘッダーとフッターの分割が厳しいかもしれない」など、一つひとつの課題に対して、ソースやソース管理システム、様々な情報を調べながら、チームメンバーと案を出し合い、解決していきました。素敵なチームでディスカッションしながら進められた経験は、今後の開発にも生きると考えています。

プロダクト&マーケティング事業本部 カスタマープロダクト本部 プロダクト開発統括部 dodaグロース開発部 CRM開発グループ エンジニア

角田 美奈 さん

(クレジット情報) Credit

Designer
葛西 千夏
Design Engineer
内田 恵子
Project Management
吉野 良太
Marketer
山田 優希
Engineer
角田 美奈

(プロジェクト情報) Information

※ 所属・肩書および仕事内容は、取材当時のものです。

執筆:安藤 修平

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メンバーの意志を具現化したビジュアルコミュニケーションをデザインする。『エンジニアパス』リブランディングプロジェクト

Service :
エンジニアパス
Launch :
December 2023
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